さて、出発の日ですよ。〜パート1〜

何だかんだ準備で色々あった後、すぐそこまで迫った出発日はあっという間でした。


一応中国語の勉強はしていたのですが、まぁ付け焼き刃ではあったのでそこまで役に立ったことはなかったと先に伝えておきます(笑)


さて、当日ですが、まぁもちろん問題が起きまくりました。


朝8時の飛行機に乗る予定だったので、前日から近くのホテルに泊まってました。私の彼氏様が翌日の朝に空港まで送ってくれる、とのことだったので一緒に泊まっていました。


が、しかし。ここで一つ目の問題が発生しました。


数日前から来ていた台風の影響により、飛行機が大きく遅れていたのです。それを知ったのは前日の夕方、つまりホテルに着いた後だったんですよね。

まぁ、それは仕方ないです。実際、いくつかの空港は出入りも出来ないほどに酷い天気だったので。


ですが、次の日にまた問題が発生します。


翌日、準備を済ませてホテルをチェックアウトした後、宣言通り彼氏が車で空港へと送ってくれました。


途中まで、ですけどね(笑)


どういう意味かと言うと、送っている最中に事故ってしまったんですよね、えぇ。


未だに覚えていますよ。何故か私よりも彼の方が焦ってパニクって、私に「どうしよう!?」と言ったことを。

私は冷静に「とりあえず、警察呼ばない?」と言って、自分は親と大学に連絡をし、タクシーを呼びました。行く前に警察の方がいらっしゃったので、事故の話を聞かれた後、すぐに空港に向かいました。


私が空港に着く前に、先に私の母と祖母が待っていました。心配そうな顔をしていましたが、私は正直それどころではありません。事故よりも留学に対する不安が大きくて、心臓バクバクでした。


荷物を預け、少しだけご飯を食べながら話をし、少し早めに搭乗口へと向かいました。一人での飛行機が初めてではありません。でも、旅行ではなく留学です。本当、不安しかありませんでした。


そんな中で飛行機に乗り、数時間後には中国にいました。


着いて最初に思ったのは、「北京国際空港デカくね!?」でした(笑)


飛行機が着陸した後、そのまま出入り口から降りてバスに乗りました。数分だけ走って、すぐに空港内?のような所に着きました。そこからは皆、同じ場所へと向かっていたので私も同じように着いて行きました。


すると、まず最初に出て来たのは指紋認証。全ての指の指紋を読み取っているようで、初めてだったので少し驚きました。

それが終わった後に入国審査です。入国審査の紙?のようなものを書き、長ーーーい列に並びました。その中には教科書やテレビでしか見たことの無い、カンドゥーラ(アラブの人がよく着ている白い服)を着ていたのでガン見していました(笑)


入国審査が終わった後、そのまま預けたカバンを取りに行くかと思ったら、まさかの電車に乗りました。今いる場所からもう一つの場所まで電車で移動するのです。もちろん、日本では無いので並んでも無駄ですよ?関係なしに押し通されるので(笑)

まぁ、そんなこんなで軽く押し潰されながらも何とか大きなカバンを取り、再度手荷物検査をされてようやく解放。


最初予定していた時間よりもかなり遅れての到着だったので、大学からのお迎えを待つためにあちこちウロウロしていました。その前に大学に電話をしたのですが、数回かけてやっと繋がりました。

不思議に思って話を聞くと、「台風の影響で停電していた」とのこと。


どんな厄日だよ、と思いつつも到着の報告をした後、時間になるまで暇つぶしをしていました。お金はすでに両替していたのですが、近くにあった自販機の使い方も分からずに日本から持ってきた水を頼りにひたすら時間が過ぎるのを待ってました。


誰も知らない、見知らぬ土地に一人辿り着いた時の不安は計り知れませんでした。


数時間後、大学のサポーターであろう人達がいたので話しかけに行くと、「もうすぐ出発するからここで待ってて」と言われたので待つことに。誰かに話しかけたいけど、怖い。そんな気持ちで周りをキョロキョロしていると、一人の女の子に話しかけられました。


「ねぇ、初めまして。私、A (仮名)って言うの。マレーシアから来たの。あなたは?」


「あ、私は茉莉花しろ(仮名)だよ。日本から来たんだ。よろしくね」


緊張してガチガチになっている私に話しかけてくれた彼女は、綺麗な長い髪を持っている可愛らしい女の子でした。どちらかと言えば日本よりの顔立ちをしている彼女と出会って、私の人生が変わるなんてこの時は思ってもいませんでした。


ある程度人が集まった後、私達はサポーターらしき人達に連れられて一台のバスに向かいました。流石中国と言った所でしょうか、まぁバスターミナルが広い広い。お上りさんのようにキョロキョロしている私に色々話しかけてくれる彼女は、本当に優しいお姉さんのような方でした。


一台のバスに乗り、大学に着いた後はまずは寮の部屋探しです。


私はてっきり部屋があると思って来たのですが、そこで受付の人に言われた一言は…


「部屋?ここにはそんなの無いよ。他を当たってくれる?」


この話を聞いた時、本当に目の前が真っ暗になりました。


ちなみに、大学に着いたのは夜の8時前後。外はもう真っ暗です。よくよく話を聞くと、「奨学金を借りている人は入れる」と言っていたので、その時私は関係ないと思っていました。ですが、後から知った事実は私はどうやら奨学金を借りている留学生だったらしく、本当ならばそこの寮に住むことが出来たそうです。


しかし、そんなことを知らない私はこれから何処に行けばいいのか、知らない土地で路頭に迷うのか、と頭の中で嫌なことがぐるぐると巡っていました。しばらくした後、大学から少し歩いた所に学生アパートのようなものがあると言われたのでそこに向かうことになりました。


説明された地図はあまりにも適当で、とりあえず住所だけを貰った私はさっき知り合ったAちゃんと一緒に向かうことになりました。


<パート2へ続く…>



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