第7話『峡隘』

峡隘の彼方を雲が流れて行く…


緩やかな静寂に横たわる

朽ち果てた大樹の影に

寄り添う小さな息吹さえ愛しいと…


いつか君にこの空を見せてあげよう

いつか君がこの大地を踏みしめる事を…

君の小さな胸に巣喰う紅い鳥なら

俺が撃ち落としてしまうから…


君が少しでも笑える様 君に誰もが微笑みます様に…


君が未来を夢見られる様 全ての願いが叶います様に…


そう…

君を守り続けたいんだ…


俺の全てを君に捧げる事も厭わないのに…

それでもいつかきっと 

飛沫を散らし


紅い鳥は…


飛ぶ…




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