【其の8】水音のエロス

湯船に浸かりながら私たちは他愛のない話を楽しむ。


お互いの仕事のこと。


私が少し髪を切ったこと。


二人で出かけたリゾートホテルのこと。


そのひとつずつが私たちを笑顔にする。



彼が不意に立ち上がり湯船の縁に腰掛けた。


「のぼせそう。」


そう言って笑う彼を見上げた視線を下におろすと、少し膨らみを帯びた逸物が目にとまる。


私は、そっと手を伸ばし彼の身体に触れた。


「あっ…。」


小さく声をあげた彼の分身がみるみる硬さを増していく。


私は、そそり勃ったものに手を添えると根元から先端に向かって舌を這わせた。


「あゝ…あっ。」


彼が眉間にしわを寄せ切ない表情を見せる。


膨れ上がった先端を口に含み顔を上下すると、彼の口元から漏れる声がさらに魅惑的なものになった。


私は彼のセクシーな喘ぎ声が好きだ。


軽く目眩を覚えるほどの興奮を感じていると、彼が私の頭にそっと手を添え立ち上がった。


釣られて立ち上がった私を抱きしめると彼がキスをする。


湯船の中央にいた私は少し後ずさると、右手でカランを掴み体を支え、壁に背中をもたせかけバスタブの縁に右足を乗せた。


左手を彼の身体に巻きつけると、彼が私の中に入ってくる。


「あん…ん…硬いよぉ…ああん…。」


彼が私の中に腰を沈めるたびに私の声がバスルームに響く。


彼が私の唇を吸うと、抱きしめていた腕をほどき腰に手を当てた。


私は何を言われた訳でもないのに彼に背を向け、右手をバスタブの縁に置き左手を壁につくと、お尻を高く突き上げる。


彼が右手で私の腰を掴み、左手で自分のモノを掴むと粘膜同士が擦れ合う。


大きく膨らんだ彼の先端が私の身体の奥深く沈められた。


先ほどよりも、さらに硬さを増したモノを突き立てられた私の口元からは、絶え間なく声が漏れる。


バスルームの中には、湯船と下半身が奏でる水音がハーモニーを生み出していた。

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