第5話 草原

最近は あまり噂をきかなくなったが それでも げっ歯類も相変わらずペットショップでは 販売されている。


この子たちは 「増えすぎた」と持て余されることが多い


リアルではじかれてきた兎やハムスター 白ねずみ こういった子達を 草原に呼び込んだ。


君たち 好きなだけ穴を掘って 草を食べていいよ。

君たちが出したものは チャンとダンジョンでリサイクルして草になるからね。


川を飛び越えることに成功した犬たちは この小動物を追いかけ回して遊ぶ。 

 もちろん野良育ちの子たちは おいしくいただいてしまうけど

 夢見るペットたちにとっては 追いかけごっこのお相手である。


犬たちの興奮以上に逃げ回る小動物たちの必死さがダンジョンパワーとなってダンジョンを育ててくれる。


夢から覚めたわんこたちは 遠吠えをしては ここの噂を広めてくれた。

 重いきっり走り回れる草原があるぞー ワンワン


 鎖なし 首輪なしで 好きなだけ遊べるぞ~ ワンワン


 僕 砂遊びをしたいんだ ワンワン


 思いっきり穴掘りをしたいねぇ ウォーン


リアルから夢通信で ペットたちからの要望も届いた。


そこで 草原の中にも 池を作ったり、小川や砂場を用意した。


そして 夢の旅路を通って 直接草原に入る入り口も用意した。


おかげで 今や 草原は大盛況だ。


 ドッグランなんて目じゃないさ。

 こっちの方が数倍楽しめるぜ。


 どこまで走ってもフェンスがないのが気に入ったぜ~~ イェーイ


リアル年数にして10年くらい毎日 わんこダンジョンまで夢路をたどって遊びに来る大型犬も増えた。


 おかげで ここで生涯を終えて、その生命エネルギーをダンジョンに捧げ、リアルでは この子は眠るように旅だったと言われる犬たち続出だ。



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