わんこダンジョン

木苺

第1話 わんこのプライド

世の中には あっちこっちから犬をかっさらってきては 保護犬などと称して金儲けをするやからがいる。


こちらの嗅覚など無視して やれシャンプーだトリートメントだと薬品をぶっかけて

毛刈りをしたりリボンをつけて写真を撮って金を稼ぐ輩


寝顔がかわいい♡とか 寝姿愛らしいとか言って安眠妨害してくる輩


寝込みを襲って 体をひっくり返して「へそ天」

手足を妙な方向に引っ張ったりねじまげて ・・・


大正・昭和のセルロイドのお人形のように手足を捻じ曲げられ 首をひねられて写真を撮られて売りに出される俺達


そんな屈辱に耐えかねて飛び出したら あららマンションの5階から転落死した俺。


墜落の最中に恨み言を言うこともできずに あっけなく頭をぶつけて・・


目が覚めたら 土の上に居た。


まだ 頭がぐわんぐわんいっている


なんとか立ち上がろうともがいたら 体が沈み込んでいく


墜落 打撲死のあとに 土に埋もれて窒息死かよ と思ったら・・


妙に腹の下がヒンヤリする

無理やり目を開けると 台の上のなんかにひっかかっていた。



墜落し 窒息死 その次は凍死 かんべんしてくれよ


次に目が覚めたときには 花畑で走り回っているのがイイなとと思ったら・・


クラっと目が回って花畑に立っていた。


なんじゃこりゃ?


鼻先に きれいな石ころが転がっていた。


鼻を近づけたら 臭いの代わりに言葉が浮かんできた。


「ここにダンジョンを作りなさい

 いいことありますよ」


そして どっと情報が流れ込んできた。

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