精霊の魔法使い24
時刻は昼過ぎ。あれから、討伐部位の回収を終え後始末をアオに任せている間に冒険者のキャンプ場に行くことを決定した。東の方ということでさらに森を進んでいき平原に出る手前あたりでキャンプ場を見つけた。キャンプ場は簡易的に作ったものらしく一人二人入れるテントが並んでいるだけのようだ。ん?広場のようなところもあるみたい・・・
「あそこがクーが言っていたキャンプ場か?」
「そうです!」
クーに確認したところ間違いないのだろう。キャンプ場へは簡単に入ることができた。昼過ぎということもありあまり人は見当たらない。何人か集まりたぶん会議をしてるのかな?その人たちに聞いてみることにした。
「あのー すいません・・・」
「ん? なんだ? 嬢ちゃん、ここは嬢ちゃんが来るような場所じゃないぞ? てか、どうやってきた?」
随分と厳ついおじさんに話しかけてしまった。てか、顔面が兵器じゃないか 怖すぎる・・・
「いや、俺たちは冒険者なんだが・・・ ここは何のキャンプ場なんだ?」
「はっ 冒険者? あんまり笑わせるな ここは魔物が大量発生したってんでそれの冒険者の最前線だよ 観光で来るような場所じゃない 早く帰るんだな」
この人、言い方は怖いし顔面も怖いけどすごい面倒見がいいのかな?ちゃんと答えてくれたしいい人なのかもしれない。
「なるほどな 今、ここから先でほかの冒険者が戦っているのか?」
「ああ、そうだが?」
「うん 答えてくれてありがとう」
俺はその厳ついおじさんにお礼を言うとその場を後にした。後ろで何やら話していたみたいだが聞き取れなかった。さて、ここ先に目指していた討伐対象があるようだがどうしようか?
「どうだったのじゃ?」
「ああ、ここが大量発生した魔物の討伐しに来た冒険者の最前線らしい ここからさらに先に今は他の冒険者が討伐に向かっているみたいだ 俺たちも行くか?」
「そうだね~ さっき戦った魔物の種類を考えても強い個体は何体かだけみたいだし大半は弱い魔物みたいだから私たちでも問題ないんじゃないかな?」
「そうだな 今からでも行くか」
ということで、俺たちもその最前線に行ってみることにした。クーの偵察でもさっき戦った魔物と特に変わったところはないらしくただ、魔物の数がおかしいだけらしい。クーには先に行ってもらい再度偵察してもらうことにした。何もそこまで急いでいる討伐依頼でもないため残りの俺たちは疲れが残らない程度に差や足に移動した。
戦場はそこまで遠くなかったみたいだ。移動を開始してから一時間とかからずに喧騒が聞こえ始めた。少し遠くから魔法で空へと浮き上がり観察してみると… お~ うじゃうじゃいるな~ 冒険者の皆さんはだいたい基本的には団体として行動しており六人で一パーティーぐらいかな?で行動している。それぞれのパーティー間でも連携しているらしく。あるパーティーが正面から抑えている間に横から挟撃して殲滅したり範囲の広い魔法を多重に重ねて殲滅していたりなどなど奮闘しているようだ。突然参戦して連携ができるでもないし逆に邪魔になりそうだな~ どうしよう… てか、これもはや戦争とちがうのか?
「う~ん 冒険者間で絶妙に連携してるみたいだし入る余地がないな~」
「じゃあ 援護射撃に徹する? それともチーちゃんは突っ込んじゃう?」
「さすがに突っ込むのは怖いよ 死なないけどそれを知られると面倒だし… 援護射撃かな~」
「だね じゃあ、後ろからぞろぞろ来ている敵さんのど真ん中におっきいの一発行きますか!」
そういうと美紀は魔法の集中に入ってしまった。何する気だ? 美紀が使える魔法は風関係だから・・・ えっ まじで何する気? 吹き飛ばすつもりなのか?
「は!」
ちょっと弱い気合を一言にその気合に見合わない規模の魔法を発動した。後方にて続々と行進していた魔物の集団のど真ん中に竜巻を発生させた。初めの内はそこまでの規模ではなかったのだが時間が進むごとに徐々に徐々に規模を拡大していく。さらにあの竜巻はただの竜巻ではないらしい・・・ だってさ真っ赤なんだもん。魔法が発生して一瞬で真っ赤に染まった。また、周辺の台地には赤い雨が降り注ぎ始めている。そんな竜巻が数分続いたが途端に止んだ。美紀が魔法をやめたみたいだ。後方に位置していた魔物たちは軒並み消滅している。最後方に位置していた魔物たちも足を止めてしまった。
「美紀さんやい? やり過ぎでないかえ?」
俺の言動がおかしいねw
「・・・ちょっとやり過ぎたかも、てへっ」
てへっ・・・じゃないよ!!! やり過ぎだよさっきまで戦闘していた冒険者の皆さんも魔物の皆さんも戦闘そっちのけで呆然としちゃってるじゃん!!!
「面倒ごとに巻き込まれそうだし帰ろう!!!」
俺はみんなの返事を待たずに転移の魔法を発動し街へと帰還しました。
ごめんなさい!!
心の中で盛大に謝罪しながら・・・
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