精霊の魔法使い9

早速やってみた薬草採取の依頼は簡単にこなすことができた。




精霊の森に入る前の方にあったのが薬草であったので適当に採取して帰った。




そのあたりは、魔物もほとんどいなかったので戦闘になることもなかった。




報酬はやっぱり安いね。その日の晩飯で終わってしまった。




ギルドでは、依頼をこなす以外にも魔物の素材の換金なども行われておりそっちの方がこの世界を見て回りたい自分にとっては都合がよさそうだ。




もう一週間ほどはここに滞在してお金や必要な道具を調達しようと思っている。


そんなわけで今日も依頼を受け取り外に出ているわけだ。




「コウよ 今日はどうんな依頼なのだ?」




「ん? 今日の奴は討伐依頼だよ 近くの畑に被害が出ているらしいからそれの討伐だな。」




今回受けた依頼は近隣に生息するイノシシ型の魔物の討伐だ。牙が俺の知っているイノシシよりも巻くようになっている奴だ。




この依頼はそれほど討伐難易度も高くなく俺も数回狩ったことのあるから大丈夫だと思う。




ああ、そうそう 宿に帰って加護についていろいろと試してみた。




古の魔法らしくこれが結構便利なものでこの世界の人は成人になったら加護を刻む人がほとんどらしい。




身分証明の代わりにもなるし正統な加護をもらうことができればいろいろと便利な能力が追加されるみたいだ。




他にも便利なのがあった。




まずレベルは冒険者とか騎士とか戦闘を生業とする人に数値的に見えるようになるみたい。




魔素を経験値みたいに集めるとレベルが上がって身体能力に強化みたいなことが起こるようになっている。




レベルが10上がるごとに登録できる物の種類が増えるようになっている。まんまゲームみたいになってきているな。




もう一つ大きな効果が物を登録できるようになっている。




元となる物を利き手で持ち念じるとそれが光となって消え項目に追加されるのだ。


登録されたものをもう一度イメージすれば具現化し使うことができる。




試しに杖代わりに使っていた木刀を登録してみた。


あとは吸収した魔素を使って強化もできるようになっていた。




なんかものすごく便利。




でもその物によって強化の仕方は変わってくるし物が壊されると魔素が霧散してしまって今まで集めた魔素がなくなってしまうと注意書きが書かれていた。




後は加護だな。




高い魔力を保有した生物に力を与えてくれるような物らしい。俺は、リアにこのことを話して加護をかけてもらった。その結果がこれだな。




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名前:タチカワ コウ


物:魔の木刀


  未登録


  未登録


レベル:32


職業:冒険者


加護:精霊リアの加護


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




うん リアにかけてもらった加護で一気に30もレベルが上がった時は驚いた。




やっぱりリアは普通の精霊じゃないことが改めてわかった。




たまった魔素で木刀を強化したら突然名前が変わって元よりも強力なものになった。


登録できる数も増えたし面白いことが起きそうなものを登録しようと考えてるところだ。




もう一つ試したのがあって魔素を集めるんだから俺が自身の魔素を使って吸収させてみたらレベルを1上げることができた。




ズルみたいだけどできるのだから寝る前に毎日吸収させていく予定だ。




加護のことでわかったのはこのぐらいかな。




すごく便利なものが手に入って少しテンションが上がっているがまぁほどほどにしておこうと思う。




話は戻して今日も今日とて依頼をこなしていこー!




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楽勝だったね。




さすがにイノシシには苦戦しないようになったよ。


リアのサポートもあったしクーやリィーもいるから安全に討伐をこなせた。




この魔の木刀ってのがすごく便利になってた。いつもよりも少ない魔素で魔法を発動できるし魔法の威力も強化されていてすごく楽になった。




まぁそんな感じで戦闘も終わって今は帰るところだ。




報酬もそこそこよかったしイノシシの牙は高値で売れたからお金も多少集まった感じだ。




ちょっとほくほく感に浸りながら帰っていると目の前にこの世界では見ることのないと思っていた服装を着ている女の子が歩いていた。




どんな服装かというと現代で使われているパジャマの格好をしている。


この世界では、寝間着のようなものは売っていたのだが俺の知っているようなジャージのようなものは売っていなかった。


だからとても浮いたような存在になっていたし目にとどまったのだ。




俺は、慌ててその子に話しかけるために近づいた。




「あのー ちょっといいか?」




そう話しかけるとその子は突然振り向いて感極まったかのように泣き出して抱き着いてきた。




「あー あのー 大丈夫?」




「うぅ うぇ ぅぅ 」




うん なんか話せる状態じゃないね。




「リア どうしよか?」




「コウが話しかけたのだから責任を持て!」




うーん とりあえず宿の方にこの子を連れていくことにしたのだった。




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