明日の色は
山島みこ
明日の色は
今日の色は薄い鼠色に淡い黄色。
わたしは毎日色を探す。
あそこにある電線と空の色。
わたしの目に映る色は、普通じゃない。
普通じゃないことを自覚したのは、もうずっと昔のこと。
それを今でも周りに言えないでいる。
なぜかって、
そんなの決まってる。
おもしろいから。
わたしにしか分からない色。
わたしにしか見えない色。
なんて素敵なんだろう。
青も、赤も、緑も、オレンジも。
全部わたしだけ。
わたしの色。
みんな、分からないことが心底おかしい。
こんなに綺麗な色が分からないなんて、人生半分は損してる。
みんな、わたしにそう言うけれど。
そっくりそのまま返してやるわ。
こんなに綺麗な色が分からないなんて、人生半分は損してる。
なんてね。
いいのよ。
私は。
分からないままで。
そのままで。
私の目に映る色は、美しい。
美しいことを自覚したのは、もうやっと最近。
それを今でも周りに言えないでいる。
なぜかって、
そんなの決まってる。
明日の色は 山島みこ @soranom
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます