LicoBiTs
理想郷たる空中楼閣で交差する想い『泡沫のユークロニア』
宙に浮かぶ空中楼閣、理想郷と呼ばれる美しい街「
この街では「大樹」という現御神が信仰され、徹底的な階級社会ながらも犯罪が発生しない、まさに理想郷と言える平穏な日々が送られていました。
『泡沫のユークロニア』
この作品は、ブロッコリーとティズクリエイションがタッグを組んでいる乙女ゲームブランド、LicoBiTsの第一弾タイトルです。
この物語の主人公は、年若いながらも貴族の女当主として自分の領区を治めている「雛菊」
貴族の姫でありながら好奇心が強く行動派で、自ら街に出て領民の様子を確認し、直接その声を聞く姿勢を大切にしています。そのため、領民からとても慕われています。
箱入り娘ということで少し世間知らずなところもありますが、持ち前の好奇心と行動力でどんどん成長していくポテンシャルの高い少女です。
とある青年と出会い、雛菊の運命が廻り始めます。
それでは、攻略対象の紹介です。
ある日、雛菊が出会った記憶喪失の青年。記憶を失っていることから、どこかふわふわとした掴みどころのない言動が目立ちます。雛菊に拾われ、記憶を取り戻すために凍玻璃で暮らし始めます。
花街の顔役を務めている青年。口が悪くぶっきらぼうながら、人情に厚く面倒見の良い兄貴分です。そのため、取っつきにくい態度でも花街の人々から慕われています。
雛菊の従者として、日々彼女を支えている青年。料理などの日常的な家事から、貴族の当主としての業務の補佐まで何でもこなしています。雛菊のことをとても大切に思っていて、少し過保護な面もあります。
凍玻璃の警察組織である「黒鶴」の機関兵。柔和で甘い顔立ちの優男ですが、性格にやや難あり。といっても、戦闘能力が高いことから黒鶴の中でも指揮官として部下を束ねる立場です。
カラクリが大好きな雛菊の友人。「半月堂」という店を営んでいて、カラクリの製作や修理などを引き受けています。いつも気だるげにしていて、部屋に籠もってカラクリをいじっていることが多いです。
美しいイラストと独創的な世界観が魅力的な作品ですね。
私の場合ですが、攻略対象との恋愛よりも世界観、ストーリー全体に惹かれたところがあります。サブキャラが本当にみんな良かったです。主人公と攻略対象達だけの物語ではなく、凍玻璃という街に生きる人々の営みや思惑まで描かれているところが大きいですね。もちろん、恋愛面も良かったですよ。
独特な世界観が好きでストーリー重視の方は楽しめるんじゃないかと思います。
また、攻略対象のクセが結構強めだと感じました。好みが分かれやすいながらも、ハマると本当に沼って印象です。私はあまりこのクセの強さにはハマりませんでしたが、このキャラクター性を好きになると底なし沼な作品なんだろうなと思います。
ただ、乙女ゲームで王道なキャラもいますので、攻略対象全員がクセ強めというわけではないです。それに、このクセの強さは攻略を進めれば進めるほど味が染みてくると言いますか、この作品に欠かせない要素に感じられました。
それで言うと、主人公についても割と好みが分かれやすいのかなと思います。世間知らずなところがあって純粋無垢、好奇心旺盛。すごく良い子なんですが、主人公として見ると、プレイしていて合う合わないが出てくるのかなと。かくいう私も雛菊ちゃんと性格が正反対なのか選択肢がやりづらかったです。ですが、雛菊ちゃんのことは気に入っていますよ。
システム面はチャプター機能があるのでエンド回収しやすいですね。乙女ゲーム初心者の方でもやりやすいと思います。
攻略順については
帷→淡雪→依→露草→矢代→真相
の順でプレイしました。
この順番で特に問題はありませんでした。一部攻略制限が掛かっているので、攻略順に関してはそんなに気を付けなくても他のルートのネタバレを派手に踏むことはないと思います。
推しは帷ですね。何だかんだ言って助けにすっ飛んでくる兄貴。花街で人々から畏怖と尊敬を集めるに足る風格があって良いです。
ただ、この作品はサブキャラが本当に好きですね。特に、
黒鶴のトップ、元帥である枸橘様は周囲から変人扱いされていますが、戦闘能力は黒鶴の中で最強。滅茶苦茶キャラが濃くて好きです。CVが福山潤さんというのも強い。
朔ちゃんは「御記録屋」という、いわゆる情報屋をしています。あざとく可愛らしい少年なのに、商売はきっちり稼いでいます。悠木碧さんの演技が最高でした。
理想郷で生きることの意味。
理想郷が理想郷足り得る理由。
自分が大切にしたいものは何か。
理想郷の全貌を前にして、想いを貫くことが出来るのか――――
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