ただ、君が存在する世界を求めて『CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜』
FDが必要ないと囁かれるほどの完璧なシナリオで、ファンから愛され続ける不朽の名作。
私もプレイして思いました。非の打ち所のない完璧な展開と幕引きであると。
『CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜 Devote』
私がプレイしたのはSwitch移植版です。追加要素として、中学生編のifストーリーが入っていました。
「どうして中学生?」
と思われた方。尤もです。
まずは、この作品最大の特徴を申し上げます。
この作品は小学生時代からストーリーが始まります。
主人公と攻略対象達は、通学している小学校の特別な課外授業で知り合います。授業のメンバーは、最初のうちはギクシャクしながらも、次第に仲良くなり、交流を深めていきます。
そして、後に展開されるシナリオにおいて、序盤で語られる小学生時代の思い出が大きな鍵となっていくのです。
この作品は、粗筋もろくに語れないほど伏線だらけなシナリオでして、正直既に何を語れば良いのか困っているのですが、一先ずは主人公の紹介をしましょう。
主人公は「九楼撫子」。ストーリー開始時では、まだ小学6年生です。
癖のないロングヘアの持ち主で、まさしく大和撫子といった容貌の女の子。
しかし、子供らしからぬ大人びた思考をする子で、そのせいか学校で少し浮いてしまっています。何というか、子供なのに性格がドライなんですよね。早く大人になりたいと、よく口にしています。
ただ、意地を張って時々ムキになってしまうところもあり、子供らしさが残っているように感じます。
九楼財閥のご令嬢で、通っている学校は私立の学園です。エスカレーター式の学園であり、名家の子息や息女が多く通っています。
撫子はある日、新任教師の神賀旭に呼び出され、学年を超えて問題児を集めた謎の特別授業に出るように言いつけられます。その授業では、メンバーと協力して神賀の出題する特別課題をこなさなければなりませんでした。撫子は突然のことに戸惑いながらも、幼馴染の加納理一郎と共に特別授業に出席するようになります。
同時進行で、撫子は不思議な夢を見るようになりました。廃墟のように荒れ果てた不思議な世界を彷徨う夢で、それを何日も毎晩のように見てしまいます。
そんな夢がきっかけなのか、次第に撫子の周囲で異変が起こり始めます。そして、夢は徐々に現実世界を侵食していき、ついには夢の中で出会った青年達が撫子の前に現れるのです。
ちょっと不思議な感じのするシナリオですよね。
それでは、攻略対象の紹介をしましょう。特別授業のメンバーと夢の中の青年達ですので、少し人数が多めになります。勘の良い方は、これだけでも少し事情が察せてしまうかもしれませんね。
まずは特別授業のメンバーから。
海棠鷹斗(CV浪川大輔さん)
撫子のクラスに来た転校生。世界的に有名な製薬会社の御曹司で、明るく社交的かつ好奇心旺盛な性格。
小学生ながら、趣味は研究。小学6年生とは思えないほどに優れた頭脳の持ち主です。趣味の域であったとしても、研究内容は大人顔負けのものであり、天才とは彼のことを言うのだと思います。
加納理一郎(CV前野智昭さん)
撫子の幼馴染で、外務大臣の息子。
他人と交流を持つことを好まないクールな性格。学校で友達と呼べるのは撫子くらいです。酷く不愛想なので、撫子ともよく口喧嘩をしています。それでも、撫子とは仲良しと言えます。喧嘩するほど仲が良い二人です。
茶道の師範免状の持ち主で、学校では茶道部に所属しています。
小学5年生で、一流レストラン総支配人の息子。
1つ年上の兄がいて、彼を盲目的に敬愛しています。物静かな印象の少年ですが、口を開けば意外と毒舌で容赦ない発言をします。そして、極めてマイペース。
兄のことになると、やたら暴走しがちです。
西園寺寅之助(CV杉山紀彰さん)
撫子と同じ小学6年生で、喧嘩っ早い少年。名家の子供が多く通う学園において、不良キャラは珍しいため酷く浮いてしまっています。先生たちも彼の言動に頭を悩ませているようです。
しかし、不良に見えて思考は常識人な面があります。
時田終夜(CV石田彰さん)
小学5年生、大人気のキッズモデル。黙っていれば、とても美形な少年です。
お殿様のような独特な口調で話すため、メンバーの一部からは「
円の兄で、撫子と同じ小学6年生。
一流レストランの跡取り息子で、そのためか料理上手。
メンバーのムードメーカーですが、テンションが高すぎるせいか勢い余って失敗することも多々。勉強は苦手です。弟である円のことを大切に思っていますが、兄を盲信してしまっている点について少し心配しています。
撫子の学校に最近赴任した新任教師。特別授業の発案者です。
気さくで教え上手なため、生徒からとても人気があります。何故か、ウサギとカエルのマスコットを持ち歩いています。
それでは、ここからは撫子が夢の中で出会う青年達を紹介しましょう。
放浪者(CV前野智昭さん)
寡黙な青年で、いつも重苦しい雰囲気を纏っています。話すと意外に冷静な口調で、撫子の問いかけにも淡々と答えてくれます。
現実世界にも姿を現します。撫子のことを以前から知っている素振りを見せます。
ビショップ(CV鳥海浩輔さん)
ヤンキーのような奇抜な格好をした青年。どこか物憂げにしていますが、時折、冷酷な表情が垣間見えます。
ビショップというのは所属している組織の役職名のようです。
反逆者(CV杉山紀彰さん)
夢の中を彷徨う撫子に、いきなりナイフを突きつけてきました。夢の中とはいえ、物騒な出会いです。
現実世界にも姿を見せます。再会した時には、自らを「若」と名乗り、撫子に何やら真剣に忠告してきます。
哲学者(CV石田彰さん)
焼野原でいつも、ぼんやりとしています。読書をしていることが多いです。
撫子が話しかけても、独特な受け答えをされてしまい、殆ど会話になりません。
情報屋(CV須藤翔さん)
夢の中を彷徨っていた撫子に優しく声を掛けてくれた青年。明るい雰囲気で、気さくに話してくるため、とっつきやすい印象を持ちます。
職業はジャーナリストらしいです。
この作品の感想はハッキリ言ってネタバレになってしまうため、あまり語れません。
しかし、泣けます。これだけは言いたい。泣けます。
推しのルートでは、気づいたら涙が流れまくっていました。シナリオのしんどさに号泣する方も沢山いますが、私の場合はひたすら涙が流れていました。自分の推しの結末には、プレイヤーの誰もが涙することでしょう。
シリアスなシナリオであるため糖度は低めですが、後日談には甘いシナリオも用意されています。
それと、システム面については少し詳細に話しても大丈夫かなと思うので、述べさせて頂きますね。
この作品には上述した通り、神賀先生の課題をこなす必要があります。つまり、序盤の小学生時代編は作業ゲーです。苦手な方もいますよね。
初回は課題をちゃんとやらなくてはなりませんが、2周目以降は好きな回答を選ぶことが可能です。課題の回答が、その後の展開に影響してきますので、慎重に回答しましょう。
攻略順としては、公式が推奨している順番でプレイして頂ければ良いかなと思います。
理一郎→円→寅之助→央→終夜→鷹斗の順です。私もこの順でプレイしました。
今回、最推しが実はサブキャラなんですよね。最推しはルークです。ルークは、夢の中の世界において、研究員をしている青年です。一応、とあるルートからの分岐で彼のエンドが設けられています。短いシナリオですが、正直一番しんどかったです。
攻略対象では、理一郎と円を推しています。二人とも、シナリオが切なすぎました。
この作品は真相に近づけば近づくほど、本当にしんどくて胸が何度も締め付けられました。どのルートもしんどかった。既に何度か移植を重ねているため、エンドごとの後日談も収録されています。
PS2で初登場してから10年以上愛されているオトメイト不朽の名作です。
重いシナリオや泣ける話が好きな方には、一度は触れて頂きたい作品ですね。
個人的には、最推しのルークがいつか攻略対象に昇格して欲しいと思っています。
「君の居ない世界なんて要らない」
この言葉の重みがプレイ前とプレイ後では全然違うことでしょう。
重く切ない時間の物語に、きっと誰もが涙するはずです。
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