剣士と恋する和風な乙女ゲーム

 度々話題にする『薄桜鬼』シリーズにおいて魅力的なのは、迫力のある斬り合いシーンですよね。声優陣による息遣いや覇気の演技には毎度舌を巻きました。


 今回は剣士と恋が出来る和風な世界観の乙女ゲームについて話そうと思います。


 歴史ものの作品は剣士が出てくると察せてしまうと思うので、今回は歴史系以外の作品に絞っていきましょう。



 まずは。


『君は雪間に希う』


 人間の営みの中で大切に使われた道具には魂が宿り、「形人」という実体を得ることが出来ました。人間と形人は共に生き、共に暮らしていました。

 徳川吉宗将軍の治世。江戸には、人々の負の念から生まれる「宵禍」という化け物が跋扈していました。将軍はこの事態を憂い、宵禍討伐に特化した部隊として、「裏の御庭番」を創設します。主に裏の御庭番を務めるのは、陰陽師の手で造られた「奇虚」という存在。奇虚は人間の肉体に、道具の魂を宿らせています。そして、彼らには、あるものを代償に宵禍を滅する力が与えられました。

 そして、奇虚は宵禍を滅する際に太刀や脇差といった得物を用いる必要があります。


 独特な用語が多くて戸惑われるかもしれませんが、この独創的な世界観がこの作品の特徴です。この作品における攻略対象は全員が奇虚。

 人によく似ていて、人とは決定的に異なる点がある、人ならざる存在。そんな彼らと恋をする作品です。

 奇虚は総じて裏の御庭番に所属していますが、表向きは武士であったり、町人であったりと、様々な身分で江戸中に散らばっています。そのため、この作品だけで様々なシチュエーションの恋愛を楽しむことが出来ます。

 しかし、宵禍との戦闘は共通しています。宵禍の弱点を確実に斬るために、仲間と協力して、時に意表を突くような作戦を展開して、戦闘を進めるシーンは見応えがあります。

 また、意外とプレイしやすい王道なシナリオをしていますので、初心者の方にもおすすめ出来ます。



『剣が君』


 人間、鬼、妖怪。様々な種族が共存する日の本。

 徳川家光将軍の治世。天下五剣を巡って腕利きの剣士達が戦う剣取り御前試合が、日の本各地において、しばしば開催されていました。天下五剣を手にすることは、侍としての栄誉。武士を志す者は、皆この御前試合で優勝することを目指していました。


 この作品は、攻略対象が剣士として生きる道と主人公の手を取って生きる道、二つの道のりを楽しむことが出来ます。どちらのシナリオもとてもよく練られていて、全く飽きることはありません。

 剣士として命を燃やす道と、愛した女性と添い遂げる道。どちらの結末をハッピーエンドと取るか。それはプレイヤーの感性に委ねられています。ハッピーエンドとバッドエンドが設定されていない、独特なシステムの作品です。

 私は結構、剣士のシナリオに惹かれる傾向にありますね。もちろん、主人公と一緒になるシナリオも好きですが。重い作品ばかり気に入る傾向が、ここにも出ています。困ったものです。

 攻略対象が総じて重い事情を抱えていることもあり、とても読み応えのあるシナリオをしています。何度、片手で両目を覆ったことか。皆、抱えているものが重すぎます。

 また、名刀がいくつも登場してきますので、某ソシャゲが好きな方にもおすすめです。私も元審神者なので、とても懐かしかったですね。三日月宗近をよく近侍にしていました。

 ちなみに、この作品は私も未だプレイ中です。終わったら、改めてフルコン直後の感想や、きちんとした感想を書こうと思います。



 斬り合いシーンのある和風ものが単に私の好みなので、今回は特集させて頂きました。

 これからも和風系の作品が増えていって欲しいものです。

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