Phase5 → Phase6

「なんてこった」

「おやおや。お決まりの挨拶はどうしたんですか?」

「言わないなら言わないほうがいいって言ったじゃないですか。ありがとうと同じですよ。感謝の気持ちがなければ、言っても逆に失礼だって」

「は、はあ」

「クレームで『ありがとうを言ってこなかった』ってあるじゃないですか。言わせたいんかと思いますよね。クレーマーの九割はクレーマー自身にも問題があるとぼくは思っていて」

「何の話ですか?」

「さて、地図を確認しましょう。はいどーん」


 例によって例のごとく全体地図が表示される。

 南西部が黒く塗り潰された。

 これで残るは北東部のみである。


「1番チームと21番チームはこれアウトですね」

「21番チームの彼、家の中から1ミリも動いていませんが、中で気絶されているんでしょうか」

「さあ? そのうちドローンが家の中に入ってくるでしょうけど」

「それで、1番チームは? 車で中央部を突っ切ろうとしているみたいですね?」


 中継映像に切り替わった。

 トップスピードで駆け抜ける車の後ろを、一台のドローンが追いかけている。

 やがてもう一台のドローンが進行方向からヒュンと現れると、搭載されたミサイルを発射し、車をパンクさせた。


「流石に無茶でしたね」

「残念ながら」

「16番チーム、配信者のミオさんのチームが、南西部の教会にまだ残っていて?」

「まあ、彼らもそのうち強制的にゲームオーバーになりますね」

「あらま」

「あと南西部といえば、3番チームのジョージさんと8番チームのサユキさんが? 船に乗ってますね」


 映像が切り替わる。

 埠頭に停泊していた船に乗り込む二人。


「これは『ウランバナ島のデスゲーム』のルールではどういう扱いになるんですか?」

「どういう扱いとは?」

「他の地域のデスゲームですと、もう死ぬまで追いかけるところもあるんですが」

「彼らは凶悪犯として国際手配になりますね。なんせ人を殺しているので」

「なるほど? ……生き残ってはいるけども、賞金の受け取りは」

「もちろんできません」

「ですよね」

「そこは、ラストマンスタンディングですよ。最後までこの島に立っていた人の勝ち。島から出た参加者のことは忘れましょう」

「ということはですね、残るは北東部の3チームでの戦いとなりましたか」

「7番チームが残り1人、15番チームが残り2人、25番チームが残り3人の合計6人ですね」

「優勝するのはどのチームになるんでしょうか!」

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