花守少年少女
leliel
死ねない少女【001】
彼女は列車に轢かれた。
踏切の中──線路の上で立ち尽くす少女は、列車の前照灯に照らされていて、その瞬間、僕は初めて人の死を看取ることになるんだと思った。
次に気が付いた頃には、貨物列車は轟々と音を立てながら僕の目の前を横切って、彼女が立っている場所を──彼女が立っていた場所を通過する。
目を瞑りたい。
目を逸らしたい。
次に目に見えるものを見たくない。
だけど身体が強ばって、僕の瞼は動こうとしない。
そして、僕の瞳は捉えた。
──ゆっくりと上がっていく遮断桿と、まだ踏切の中で立ち尽くす少女を。
花守少年少女 leliel @leliel_crown
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。花守少年少女の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます