第6話 不思議な手

皆さんはあるはずのないものを見たことはありますか?

本当は視界には入っているけどただ気付いていないだけかもしれません。

これは自分と上司、後輩と3人で車の作業をしていたときの話です。


自分達3人はある目的のために車を茂みの中に入れようとしていました。

自分が運転手、上司のMさんが車の後ろで誘導をしてくれていました。

後輩のRについては車を降りて次の作業の準備をしていました。


M「はい!下がって下がって!」

自分はMさんの誘導に従いながら車をバックさせていました。

後ろを向いてMさんを見ながらバックさせていましたが反対側も確認するため左ミラーを確認、ぶつかる心配がなかったのでもう一度Mさんの方を向こうとした首を振ったときです。


フロントガラスの右上の角のほうから手が2本出てきて

バンッ!

と、フロントガラスを叩いたのです。

キッ!

っと、自分は驚いてブレーキを踏みました。

M「どうした!」

とMさんから言われて

自「ちょっと上からフロント叩かれましたー!」

と、起こったことを言いました。

自「R!なんで車の上におるとやー!」

自分はRを呼びました。

R「えッ!いや、自分こっちにいますよ!」

車の左前の方からRがそう言いながら出てきました。

自「えっ?」

自分は呆然としました。じゃあ、さっきの腕は?

M「大丈夫か?」

Mさんに聞かれて細部先ほど起こったことを説明しました。


M「疲れとるったい!ここからまだきついんだから集中していけ!」

と言われました。

というのもフロントガラスを叩かれた

バンッ!

という音は誰も聞こえていなかったのです。


その日は運転を続けていましたが腕が見えると言うことはありませんでしたがあれは絶対疲れからの幻覚や見間違いではなかったと思います。


ふとした瞬間に見えるもの自分が認識していなければ本当はあるはずのないものが多くあるのかもしれません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る