第7話『特少の門』
厚い灰色の壁と鉄格子とが
妙な調和をかもし出す厳しい門…
院外から特少へ
一歩足を踏み入れると
不気味な…
しかも殺伐とした感じがする
俺だけではなしに誰もが感じた
特少の神秘なのかも知れない…
数々の思いを秘めた壁の落書き
希望の薄れた様な弱々しい眼差し…
幸福の二字を綴る事は出来ない
魔人の様に大きな口を開け
日も厳しい鉄の門は
幾人かの新しい仲間達を呑込むだろう…
厚い灰色の壁が腹を抱えて
嬉しそうに笑うだろう
しかし高いあの煙突だけは
高いところから悲し気に
動けぬ自分と似た俺達を哀れんでくれるだろう…
厳しい鉄の門は
今は何も無かったように
又ひっそりと静まり返っている…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます