終末少女

赤里キツネ

第1話 勇者召喚

旨い空気。

青い空、白い雲。

見渡す限りの草原。

そして、目の前には絶世の美女。


ここは……何処だ?


「勇者……様?」


女性が、驚いた様子で、尋ねる。


「勇者……?」


これは……あれか?

異世界召還というやつか?


うん。

言われてみれば、ファンタジーっぽい。


寝転んでいる場所は、石造りの遺跡。

魔法陣っぽいものの真ん中だ。


女性は微笑むと、


「この度は、この世界に来訪頂き、ありがとうございます。この世界の事、説明させて頂きますね」


そう告げ、手を差し出した。


--


ひとまず、街へと向かう。

道すがら、状況の説明を受ける。


あの遺跡は、やはり、召喚装置らしい。

三日前に、盛大に勇者召喚の儀式が行われたのだが。

その場では誰も現れず、解散となった。

三日遅れで、俺が現れた、らしい。


俺は、容姿的に優れた訳でもない、中年。

年齢は、まだ50には届かない……程度。

体力的にも強化された感じも無く。

別に、チート能力も無いらしい。

ステータスを見たりもできないらしい。

ちなみに、日本語を喋っている。

実は異世界ではなく、未来なのかもしれない。


俺の役割は、終末少女の指揮。


終末少女。

この世界が危機的状況になった後、突如現れた、新人類。

12歳頃に見た目の成長が止まり、寿命は人類と同じくらい。

身体能力が高く、また、神造物の武装を操り、戦う事ができる。


終末少女に愛情を注げば、その戦闘能力が強化される。

俺が喚ばれた理由は、それらしい。


即ち──俺がロリコンだから。


確かに、俺は少女様が好きだ。

だが……だからといって、召喚されて戦わされて……というのも、困る。


「元の世界に帰る事はできますか?」


「すみません……最大限の便宜は図りますので、どうかこの世界に残って下さい。元の世界に帰る方法が分からない、のも理由ですが……勇者召喚に必要なマテリアルは、終末少女召喚の100倍……勇者は貴重なんです」


「なるほど……終末少女を増やすか、勇者を召喚して強化するか、2択と言う訳ですね」


女性は、目を見開くと、頭を振り、


「それは違いますよ、勇者様。終末少女も子供を産むことができるので、勇者様がいれば、新たな終末少女が産まれます」


「召喚した勇者だけが、終末少女と子供をもうけることができる?」


女性は、やや困った様に、


「いえ……その……12歳前後の見た目の少女に手を出せるのが、ロリコン勇者くらいなので」


「ロリコンは少女様に手を出しませんけど?!そういう意味の勇者なの?!」


失礼な発言に、俺は思わず叫んだ。


************************************


リハビリがてらの投稿。

かなりマイペースな投稿となりそうです。

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