第12話 駄目ッ子・魔法使いデイアルと壊れた少年?・・1

「この戦いに勝利するためにも 僕頑張ります!!」

償還魔法の使い手でもある 自称・優秀な魔法使いデイアルは、張り切る


「いや、お前は償還魔法は辞めた方がいいと私は思うが

それに偵察に来て余計な事はして欲しくないが・・」

本気で不安そうな 女魔法騎士レステイル


前回、とんでもない失敗をした事を騎士テイノから

よく聞いている


万が一でも また例の異界の少女たちを再び償還すれば

少女たちの保護者達?がお怒り頂点だ

こちらにも下手すると、とばっちが来る


ぶち殺されるのも じわじわと炎の魔法で焼かれるのも

身体中の骨を砕かれるのも 当然 遠慮したい


(前回 保護者達にデイアルはそう言われて・・脅かされた

とテイノが言ってた)


なのに、どうして懲りないのだろうか?


彼の若さもある 無邪気なのか 能天気なのか・・不明


唯一、役に立ちそうな彼の償還魔獣の凶暴な大猫は

またしても、何処かに遊びに行って行方不明

猫だから気まぐれ・・あう


彼はご機嫌で魔法陣を描き

呪文を唱える!


キュイインと甲高い音と閃光


現れたのは

大きなシャツ(寝巻の一つのタイプ)を着た

長い黒髪の少年


耳はエルフのように長く 片方に金の小さな輪のピアス

瞳は赤い宝石と黄金の色のオッドアイ


「あ、美形♪可愛い♡」ついレステイルは喜んでしまう


彼を見て 真っ青になってるデイアル


「どうしたの?デイアル」


「僕を殺すって言った保護者の一人

異界の美少女の一人、黒猫耳のアリサちゃんのお兄さんだああ!!とんでもない人を償還してしまったああ!!」


絶叫するデイアル

「ば・・馬鹿あああ!!」レステイルも絶叫する


が、しかし

数分がたっても 異界の少年はきょとんとしたまま


どうしていいか分からずに固まってフリーズしてる二人


しばらくして少年は笑い出した

「クスクス・・お前たち誰?ふふっ

此処どこ? うふふ きゃははは!」


「あのおお・・僕が誰かわかります?お名前は?」

怯えながらデイアルが聞く


「・・・知らない 名前?知らない

誰?ふふふ・・きゃはは!!」

そうして、笑った後で首をかしげて 

小さな子供のように黙って微笑んでいる


「様子が変だ 普通じゃない」彼に手をかざす レステイル


「・・・狂ってる 詳しくは分からないが病気らしい

あ、そういえば 思い出した

お前とは別に 彼らに接触した者たちがいて写真という小さな絵をもらい 

私はそれを見せてもらったが その一人だ

病気だと言っていた この事だったのか 」


「デイアル とりあえず彼は今は正気でなく

小さな子供同然だから 彼から殺される事はなさそうだ」


「わあ よかったあ」ホッとするデイアル


「馬鹿! 彼の仲間は他にもいるんだろう?


じわじわ焼き殺すと言ったのは別の少年だろうが

それと骨を砕くと言ったのは 黒猫耳の少年」


レステイルが口もとを歪め言う


「がああん!!そうでしたあ!!

やつぱり 殺される!!」


「惨殺だな 私を巻き込まないでくれ」

「ひ~ん」


「果物があるが食べるか?リンゴとオレンジと青ぶどう」


「リンゴ 食べる!!うふふ」

嬉しそうに笑う


手渡した途端 あっと言う間に食べてしまう


「おお!あっと言う間に皮ごと食べてしまった

うんうん 可愛い」

頭をなでなでするレステイル


ガサと草むらから音がする

ハッとするレステイルとデイアル


「あ 敵の鋼鉄のゴーレム数体とオーガ達 かなり厄介だ」青くなるレステイル


「オーガに食われそう!レステイルは 胸が大きくて美人だから

いやらしい事されちゃうよおお」

泣き言をいうデイアル


「私の胸は関係ない!!それになってことを言う!!

私のやる気を削ぐ気か?

そんなにエロい場面が見たいか お前」


「え・・ちょおと見たい」


ゲイイイン 剣の柄で殴られる

「酷おい レステイルうう」


「当たり前だ!!とっとと攻撃魔法をかけんか

私も魔法で対抗する」

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