第10話 白い霧の中で ・・その2

「先程 歌ってたのは 私の子供ソリシア王子様の為の子守歌」


「今は こうして様々な時空を彷徨ってますが

次の転生をするのを待ってる処です」


「再び 唯一の運命の相手 アジェンダ様に出会うまで

私は転生を繰り返して 長い年月を待つのです

あの方以外に結ばれる事はない どの転生でも・・」


「運命から逸れて、辿った王国の王 もう一人の最後の王アーシュ 長い黒髪の王 

転生したアシャル兄ちゃんの妹として生まれて

アラシャお父様たちに救われて 幽体となったアジェンダ様と結ばれるまで」


「その時は生涯を終えたら、彷徨う輪廻を終え

ようやくアジェンダ様のいる天界に 永遠にとどまります」


「え!!アラシャ あの黒猫耳としっぽの少年アラシャ?」


「ええ、うふふ もう私が誰かおわかりになりましたねテイノさん」


「あの時のお菓子バターガレットとミニアップルパイにお茶美味しかったです

私にとって遠い未来の出来事になりますが・・」

アリシアの姿が様々な女性の姿に変わる


「これは・・私のあらゆる転生した姿・・」

最後に あの黒猫耳の美少女アリサの姿となり 再び元のアリシアの姿に戻る


「もう時間です 私は行かなくてはいけません

向こうには 敵がいます ザリア帝国でしたかしら?

あちらにはモンスター」


「迂回として遠回りになりますが こちらの道は安全です

では、もしまた出会える事があれば うふふ」


「アリシア姫・・アリサちゃん有難う」


「うふ、くすくすっ」

彼女の姿が消える そして花畑やテーブルや椅子も・・


「彼女が教えてくれた道を行きましょう 信用出来ます」テイノ


「ああ、そうだな 食事に傷の手当までしてもらった」

霧に紛れて 彼等は教えられた道を歩み出した

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