第9話 白い霧の中で・・1
「霧が立ち込めてきたな」「ああ」
「霧に紛れて この場を逃れればよいのだが」
騎士の姿の男が言う 年齢は40歳前後
「ですね騎士アスタル・・無事に目的は果たしましたが
こちらの負傷者多数 死者がいないのが幸いでしたが酷い有様です」
魔法使いエリム 二十歳ぐらいの美しい女性
「エリムもかなり疲れてるな 今のうちに回復薬(ポーション)を飲むといい」
「はいアスタル様も・・」「ああ・・他の者たちも」「はい」
すると霧の奥から綺麗な女性の歌声が聞こえてきた
「なんだ?こんな戦場に」「行ってみましょう?」アルビノの騎士テイノ
「テイノは傷は大丈夫か?」「俺は軽傷ですから」
「あ・・花畑 綺麗だ」「そうだな」
花畑の中で 長い耳の黒髪の美少女が歌っている
エルフとは違う種族
とてもきれいな青い瞳
「この種族は・・見た事がある」テイノ
「えっ?」
「あら・・こんにちは
テイノさん 他の方はお仲間かしら?ふふ」少女が笑う
「俺を知ってる?なぜ?」テイノ
「何故かしらね・・うふふ 怪我に疲れた顔をされてるわ
お茶に軽食や菓子でもいかがですか?」
「ええ?あの」
「他にもお仲間がいらしゃる・・怪我をされた方も連れてきて下さい」
いつの間にか 彼女の傍には大きなテーブルと椅子が沢山あった
テーブルには沢山の果実 サンドイッチにスープやパン スコーン キッシュ
サーモンと卵のサラダ エクレアなどのお菓子に 飲み物などが並べられている
「テイノさん 傷を癒します」
「あ!あのお・・」
「癒しの水」彼女の言葉とともに 宙から水が表れて 傷に水が触れるなり
みるみるうちに癒されていく
「これでいいわ」
「あ、有難うございます」
「うふふ」
彼女は食事を彼等にご馳走して、他の者たちの傷を癒してゆく
「有難うございます あのお名前は?」
「アリシアといいます ある異界の遠い大昔の時代で
黒の貴族の娘として生まれました」
「遠い大昔?」
「うふふ もっと詳しく知りたいテイノさん?」
「ええ」
「私は幽体、幽霊です うふふっくすくすっ」
「父親が無実の罪で処刑されて 私も奴隷となり
6歳でボロをまとい朝早くから夜遅くまで下働きとして使われてました
13歳の時に 高級娼館に売られる寸前でしたが・・」
「黒の王で火焔の王・火竜王アジェンダ様に救われました
そしてアジェンダ様と結婚して
子供を産みましたが、まだ私の子供が幼い時に私は死んでしまいました
先程 歌ってたのは 私の子供ソリシア王子様の為の子守歌」
※関連作品 あったりします^^;
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