君の心に1つの光が灯るまで

海原鈴

Prolog

僕は、家族に恵まれ、経済的にも恵まれ、成績もそこそこ良く、容姿も悪くはない。友達にも恵まれ、大人たちにも信用され、不自由のない日々を過ごしていた。



だが、ふとした時に孤独を感じるときがある。

本当は自分はなにもないんじゃないかと…。

自分は無能なんじゃないかと…。



そんなことを時々考えてしまう。



けど、彼女に出会って自分は変われた。

外面や学歴はよくても、内面は最悪な俺を変えてくれた。









「先生、そろそろ実習生が来られますよ」

「あぁ、今、準備するよ」



少し着崩れ白衣を直し、実習生の名前が書いてある名簿を持って、俺は診察室を出た。

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