「ザ・ハント」(サバイバル/スリラー)

「ザ・ハント」(2020 アメリカ 89分)

監督 クレイグ・ゾベル

脚本 ニック・キューズ、デイモン・リンデロフ

出演  ベティ・ギルピン、 ヒラリー・スワンク


 見知らぬ森の中。ただの一般人と思われる老若男女の人々が、森の中に放置されていた。

 人々は次々と目を覚まし、周囲を探ると草原の真ん中に大きな箱があった。

 箱を開けると、中から豚が現れ、銃などの大量の武器がセットされていた。

 人々が武器を手に取った瞬間。

 それを合図に、どこからか銃弾が飛んできた。


 どこかに潜む何者かからの攻撃が始まったのだ。


 更に銃弾だけではなく、落とし穴、地雷まで設置され、次々と人が死んでいく。

 これは、ある富裕層の人々が、一般の人々をハンティングする「人間狩り」のサバイバルゲームだった。


 なんとか森から脱出出来た一般の人々は、ガソリンスタンドを発見。店員夫婦に助けを求める。

 だが、彼らもこのゲームの参加者、「狩る側」の人間だった。

 多くの人々がなにもわからずに殺された後、一人の女性がスタンドにやってくる……。


 彼女も狩られてしまうのか?



 以下、ネタバレあり。

 ここから展開が大きく変わるので、実際に観た方が良いと思います。



 冒頭。この異常な「人間狩り」により、容赦なく次々と人々が死んでいき、視聴者に絶望を植え付ける。

 だが、約20分後に急展開。

 ガソリンスタンドにやってきた謎の女性は店員夫婦に騙されることなく、瞬殺。

 ここから、一気に状況が一転。


 「狩る側」が「狩られる側」へと変わってしまう。


 この女性、まるで「沈黙シリーズ」のスティーブン・セガールのように容赦なく次々と「狩る側」を始末していく。一切の隙を見せず、罠にも騙されることなく「狩る側」を次々と始末。

 これには、「狩る側」も「聞いてた話と違う」状態になってしまうのであった。


 クライマックス。

 謎の女性は「狩る側」を始末し続け、このゲームを始めた黒幕に辿り着き戦うのだが、途中で少し休憩挟んだり、テーブルの上の高級シャンパンを割らないように配慮したりと、変なキャットファイトになる。

 これがシュールで面白かった。


 余裕ぶっこいていたら、予期しない事態で「狩る側」が「狩られる側」に変わる衝撃の逆転サバイバルスリラーだった。



 なお、この女性が語った謎のおとぎ話が印象的だった。


「ウサギと亀の話。ウサギと亀がある日、競争をすることになった。足の遅い亀は足の速いウサギに勝てるはずがなかった。だが、余裕ぶったウサギは競争の途中で昼寝をし、亀に負けてしまう」


「そして、その日の夜。負けた悔しさからウサギは亀を殺した」


 このセリフは、どういう意味だったのか?

 だが、この映画の場合、「亀だと思ったら、スティーブン・セガールだった」という話だと思う。

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