第5話





二日目の朝も快晴だった

ベッドから見える窓の外から日差しが差し込む

今日は出立の準備をしようか


んー……ん?


そうだった、連日朝はこうなっていたから起き上がるのが大変だったのだ


俺の腹に腕があり怪我をしている腕の部分をうまく避けながら腕枕をしているヴァルツに抱き込まれた状態だ

背に当たる、彼の呼吸するたび触れる腹と頸に当たる息が擽ったい


起こさないように起き上がるにはこの重い手を退かさなければならない

お、重いなぁ

俺の腹を抱き締めている時は何故か手加減しているのか重くはないが、退かそうとすると抵抗なのかわからないが健康そうな小麦の肌のしっかりした筋肉が邪魔をする…

魔術で退かすか?でも怪我人だし相手は騎士だ

確か上級騎士なら感知して反撃すると聞いたことがある

朝っぱらから襲われては敵わないし…


両手で片手を外そうとする


「んむぅ…んー」


お、起きてしまったか?

なら申し訳ないが離してもらおう


「ヴァルツ、まだ寝てていいけど離してくれないか?起きれないんだ」


まだ眠いのだろう。この男は気持ちよさそうにむにゃむにゃとしている


「ヴァルツ頼むから」


「んー…………スノー」


なんだか熱い吐息と甘い声音で名前を呼ばれ不覚にも肌がざわつく

うなじに熱い温度の息を感じると、ちゅっと音がした


「こっちにおいで、冷えるから。気持ちいいなぁ…」

さらに抱き込まれ肩に顔を寄せ乗せられる

頬に頬が当たる。そのまま直接耳に囁かれた


「俺の愛しい人」

体に甘い刺激が走る

これはいけない朝っぱらからなんなんだこれは!




いつのまにか侵入した腹を押さえてた手が直接地肌の腹を撫でる

誰かと勘違いしているのか!?

厚く男らしい手が肌を這い、自分の手じゃないと現実を突き付ける

これはまずい!!


「ヴァルツ!!いい加減にしろ!」

咄嗟に魔術を行使し電撃を体に纏わせる



「んがぁ!?な、なんだ!襲撃か!」

あまり力加減を考えず放ったが本人は驚いた様子だけ見せ平気そうだった


「スノー!無事か!安心してくれ俺に任せろ必ず守るからな!」

勢いよく起き上がり俺を抱き上げたまま熱く告げる


「ヴァルツ、落ち着いてくれ。襲撃じゃないし敵もいない」


「ん?そうなのか?君が無事なら良かった。なら何故魔術反応が?痺れた気がしたが君は平気か?怪我はないか?」

ひどく不安そうにまじまじと見つめてくる

朝から疲れるなぁ


「大丈夫、大丈夫だから!悪いが俺が使ったんだ。お痛が過ぎるぞ!誰と勘違いしたが知らないが……もういい俺は起きるからな」

ああ恥ずかしい何なんだまったく!

久しぶりに人肌が心地よいからって、あんな睦言のような、恋人たちの朝のような…

耐えられない


「あ…おう。わかったよスノー。いやよくわかってないけど、スノーが平気ならいいんだ」

頭の後ろを軽く掻きながらどこか困った様子だ

悪意がない分タチが悪い

こちらが悪いみたいじゃないか


「別に君の寝相が悪かっただけさ気にしてない。起きたなら、今日は手伝ってくるんだろ?」


「おう!何でも任せてくれ!俺ってそんなに寝相悪かったのか……知らなかったすまないスノー」

瞳を輝かせたが申し訳なさそうな態度になるヴァルツ


「抱き枕でも必要かもなヴァルツには……」


「えっ!?どういうこと?」


「考えてみればなんて事はないか。俺を抱き枕にして腹を触ってきただけだ。相手が俺じゃなかったら大事だぞ」


ヴァルツが真っ赤な顔になった

流石に無意識でしたことでも恥ずかしいのだろうか


「そ、そればごめん申し訳なかった俺はなんてことを!?俺を殴ってくれいやその美しい手が傷んでしまうから魔術でもそれもダメなら自ら罰するからどうか許して欲ほしい!」

赤くなった顔で目が潤んでいる

精悍で美形な好青年が、こんな事で正座で請願している様子に呆れてくる


「もういいからヴァルツ、怒っていないからはやく食事にしよう。怪我は大丈夫そうか?」


「ああスノーのおかげで完全に回復したよ!何か手伝えることはあるか?」

力瘤を何故か見せてきたがそうじゃない


「ヴァルツは基礎回復力が高いのかな。ならそこの桶に川の水を頼むよ。外に出て左だ」


「わかった!任せてくれ!」

大きな声で揚々と桶を持って外に出て行った

たかが水汲みに張り切らなくても

まぁそれだけ人が良いのだろうな


今のうちに簡単に下拵えをして食事の準備をしようか




山小屋から出ると爽やかな山風が肌を撫でる

久しぶりにちゃんと外で風と陽を浴びて気持ちよく感じる


確か左だったな

朝から気まずい思いをした

いやさせた側だが


まだスノーから香る花の香りと体温が残っている感じがし多幸感がする

いや変態くさいか

しかし以前は抱きしめ癖などなかったはずだ

見習い騎士時代は王族の俺でも雑魚寝だったがそんなむさ苦しいことはなかったてか嫌だ

くそー寝ている俺羨ましいぞ!

起きている俺には到底無理だが

ん、視線を感じるぞ!

敵意や悪意はないがどこから……魔力の反応はない

索敵魔術をするか…

警戒して意識を集中する

どこかの国の兵か?ここまで気配を隠すとは、盗賊や魔物ではないだろうな

鎧は中だし剣もない、体術と魔術なら自信はあるが中のスノーを一番に守らなくてはいけない

爆撃されたり炎魔術で山小屋ごと燃やされたらたまらない

瞬時に頭の中で防御術式を構築する


「何をしているんだヴァルツ。道がわからないのかい?それとも具合でも?」


「いやそうじゃない。俺の後ろにいてくれ。視線を感じるが気配がないんだ」


「そうなのか?多分大丈夫だと思うよ。周囲には簡単な感知魔術を仕掛けたからね。反応はない」


「スノーはそんなことまでできるんだな。ならそれを無効化か察知されない技術があるかもしれない。用心してくれ」


「山では魔獣や盗賊もいるから安全のためにしとくんだ。どこから視線を感じるんだ?」


「それはあの小屋の方からだ」

あちらには馬小屋がある


「じゃあ馬だろ。気にするな。大丈夫ならはやく水汲んできてくれ」


「馬?」


「うん馬。あそこにいるだろ?きっと重いヴァルツを運んでいたから拗ねているんだろう労ってやってくれ。後でキャロの実があるからあげといて」


スノーは用は終わったと踵を返し小屋に戻る


うま?

視線を馬小屋に戻すとたしかに馬がこちらを見ていた

綺麗な白馬だが瞳が無だった

な、なんか怖い馬だな

居心地が悪いので水を汲みに行こう


少し歩くと川の水音がする

林を抜けると光を反射する川が穏やかに流れていた


ここで汲めばいいんだな

桶に水を汲む。川の冷たさが心地よい

ついでに川魚をとっていこう

長い枝を見つけ鋭く削り槍にして道具にし、捕まえて川魚を数匹持ち帰ろう

喜んでもらえると嬉しいな

少しでも好感度を上げなくては

見ていてくれ兄様、ロイと仲間達

俺はやってみせるぞ!



そうして戻り掃除をしていたスノーを手伝ったり

白馬に無感情の目を向けれながら餌をやる

こわい



「ヴァルツそろそろお昼にしようか」


スノーが準備した食事の入ったバスケットを持ち

連れられ川近くの倒木を椅子にして食事をする

魔石が入った薬缶でお湯を沸かしお茶を用意してくれた


「お疲れ様ヴァルツ。体の調子はどうだい?なんだかんだけっこう手伝ってもらったからな」

自分の分のお茶を淹れて問いかけてくる


「スノーの看病のおかげで快調だよ!重ねて言うが命を救ってもらい世話までしてくれて本当に感謝をする。必ずお礼をするから期待して欲しい」


「できることをしただけだよ。十分働いてもらったけど貰えるものは貰っとく主義だから、ほどほどに期待しているよ」

朗らかに笑いながらスノーは言った

なんて穏やかな幸せ空間だろう


「半分はチーズとハムのトマトソースのサンドイッチだ。あとは白身魚をオイル煮にしてマヨネーズで和えたキュウリの具材だよ。好きに食べてくれ」


「美味しそうだ!いただきます!」

燻製されたハムとチーズの濃厚な旨味がトマトソースと合わさりとても美味しい

二口で食べ終え次の味を試す

ハーブとスパイスの香りが良い。ほぐした身がマヨネーズとあってキュウリがさっぱりと味を整えてくれる

つまり絶品だ!


「喜んでもらえて何よりだ。多めに作ったから焦らず食べなよ」


「モグモグッ、最高だよスノー!ありがとう」


「ふふっ、子供みたいに食べてくれるから作りがいがあるな」


「そ、そんな!子供じゃないぞ俺は!美味しすぎるから仕方ないんだ。ス、スノーがせっかく作ってくれたんだから全て食べる」


「俺の分もあるから気をつけてくれ」


スノーは熱いお茶をふぅふぅしながら飲む

カップを置いて、じゃあ食事しながら明日からの話しようと告げた

内容は明日朝から出立し山中を進む

休みながら進んで七日ほどかかるらしい

怪我人であった俺を気にしてくれているが全快して大丈夫だと言う

道中使えそうな薬草や食べ物を取りつつ、安全重視で向かう

と言うことらしい。内容的にもスノーについていくだけだから問題はない

四日間ぐらいで山を越え三日かけて国へ着く算段だ

途中村があるからそこにも寄りたいらしい

全く問題はないのでそれで大丈夫だと言う

どっちみち国の状態がわからないのだ。焦って急ぐ必要もない

スノーといれる時間も増えるだろうし願ったり叶ったりだ


「まぁそんなところだ。獣よけの呪いはしとくが一応用心しといてくれ」


「これでも騎士だ。戦えるしスノーを守るよ」


「どうやって戦うの?」


「もちろんこの剣で……そうだった今はないんだ。まぁ素手でも戦えるし魔術も使えるから小物ぐらい大丈夫だと思う」

くそこんな時に剣がないとは

ここで聖剣があればさらにかっこいいところを見せれるのに


ヴァルツは国の宝である聖剣を個人的な事で使用できたらと思った。これを知り合いに知られれば呆れられるか怒られるだろう


「やはり魔術も使えるのか君は。なら士官学校も通ったはずだからやっぱりお貴族さまだったり?不敬罪とかになってしまうかな」


「い、いやそんなことはない!命の恩人だし貴族といえばまぁそんなところだが、君に害することはないと誓うよ!」


「そう、なら良かった。あ、それならばこれを使ってくれ」

スノーが下げていた鞄から腕くらいの長さの短剣が出てきた

鞄から?サイズおかしくないか?


「これ、旅に出る時倉庫から持ってきたんだが剣使えないし売るのももったいなかったから入れてたんだけど、良かったら使ってくれ」

ポイっとサンドイッチ片手に投げ渡された


「いいのか?俺としては本領を発揮できるから助かるが大切なものじゃないのか?」

刀身を鞘から出してみると

サファイヤのような綺麗な魔石が埋まっていて刀身が

陶磁器のように滑らかに白かった


「これって魔法剣じゃないか!?こんな高級品を使えだなんて、家宝にするぐらい貴重なものじゃないかなこれ」


「ふーん、商人でエセ魔術師の俺には無用の長物だからね。そんなの売ったらバチが当たりそうだし周りから警戒されるだろう。気にせず使って守ってくれたまえ私の騎士様」

興味なさそうに咀嚼して飲み込みスノー

お茶を啜って口を整えて言った


わ、わたしの騎士様だって!?

これじゃ物語の騎士と姫じゃないか!


「わかった。じゃあこれは大切に使わせてもらうよ!全力で守るから!騎士の誇りに誓って」


「重くないか?生真面目だなぁ。まぁよろしく。良い旅にしよう」


食事をし陽気に照らされ風に揺れる木の葉と枝を見ながら時間を過ごした







月の明かりが暗いはずの山肌を照らしている

出立前夜の山小屋でやることを終え一息をついていた

備え付けられていたランタンにオイルを補充しといておく


窓から入ってくる夜風が肌を撫でた



「たしか、………ゼンクォルツだったかな」



!?


「ななななんで知っているんだ!?」


「なんでって、そりゃこれから向かうからだろう?ゼンクォルツ王国、話したじゃないか?」


動揺しすぎだ!当たり前のことじゃないか目的地の名前を知っているなんて。話していたじゃないか


「そうかそうだったなあはは」

…なぜか不審な反応をし高速で腹筋を開始したヴァルツを見やる

うーん悪人の気配はしないし上質な装備と育ちの良さそうな青年だ

なんか訳ありなのか?

まぁお互い様か

きっと何かあって戻りにくい事情があるかもだし

事情といえば忘れていたが、

出会った当初大怪我をして流されてきていたんだったな

なんか色々あって忘れていたが理由を聞いてなかった


「なぁヴァルツ」


「なんだいスノー?」

僅かにかいた汗を冷や布で拭きながらヴァルツがこちらを窺っている


「聞くのを忘れていたが、怪我して流されてきただろ?なんであんなことになったか聞いていいかい?守秘義務があるなかまわないよ」


「そうだったな。俺も助けてもらっておきながら何も言ってなかった。王国から離れたところの村近くに竜が現れたと報告があって、それの討伐に向かったんだ。なんとか倒せたが最後の最後に自滅覚悟の攻撃があってそれのせいで俺が吹っ飛ばされたんだと思う」


「へぇー。それは大変な思いをしたね。竜討伐なんて国の総戦力で挑むだろうし主戦力が抜擢されるだろうからヴァルツも凄いやつなんだな。命が助かって良かったよほんと。なら仲間や国に残した人が心配してるんじゃないか」


「まぁそうだな。俺なりに努力して頑張ってみたが被害は出ているし完璧とは言えない。国に戻ったら死者が帰ってきたって驚かれるかもなははっ。家族や仲間は心配してくれていると思いたいな」


「元気な姿を見せにいけばいいよ。危険を乗り越えたんだから。爆散したとなると素材はあまり期待はできないか。騎士団が回収しているだろうし残念だ」


「あははっ。商魂があって逞しいな!」


「そうやって稼いでいかないとな旅人は」 


「スノーが自由というか、人生を謳歌している感じがして羨ましい……とは違うかもだけど憧れを感じるな」

机の上に灯された蝋燭の炎が揺れた気がした


「……ヴァルツが何を抱えているか知らないが、他人の芝生は青いと言うか何と言えばいいかわからないが。君は大国の立派な騎士じゃないか。剣や魔術を学んで国や民のため身を尽くしたおかげで安心してして人々が過ごせるんだ。素晴らしいことだよ誰にもできることじゃない。俺は何もなかったから、居場所が無いから流れであてのない旅をしているに過ぎない」


窓の外の景色を見ているようで、その瞳には別のものを映しているような気がする


「……なぜ、その居場所を捨ててまで旅に出たんだ?他の選択肢を考えたりはしなかったのか?」

ついこちらを瞳にうつして欲しくて矢継ぎ早に問いかけてしまった


「育ててくれた人がいて、その人が亡くなったんだ。そしたら一人になって、俺はどう生きればいいかわからなかった。そこでは俺は邪魔者で、ならいっそのこと自分の知らないところに行って知らないことを見て触れて、知りたかったんだ。御伽噺のように」

苦笑した様子で話す

これはどんな感情なんだ。俺は知らない

悲しいのか辛いのか寂しいのか

俺はこんな時どうしたらいいのか

わからない…


「俺はどこに行っても嫌われる。だからかな、居場所を探しているってなんか恥ずかしいけど。いろんな場所に行けば自分の中の世界も広がる気がするんだ」

あかりは窓から差し込む月光と部屋の明かりだけなのに、

なぜかスノーの瞳が輝いて見えた


「な、なんで泣いてるんだよ!泣く要素なんてなかったと思うけどってそんなに袖で強く拭かない!」


俺、泣いてるのか

勝手に羨んで何も知らないくせに話を聞いて、自分勝手な愚かさを自覚して

そのくせ俺には何もできない歯痒かさと愚かさがひどく憎らしい


「ごめん!何も知らないくせにあんなことを言って。でも、でも俺、スノーが嫌われるなんてそれだけは間違っているのはわかる!スノーは何でも知っていて生きるための努力して前を向いて生きている!俺はただ愚直に仕方ないと、後悔はしていないけど、それでも、うぅ、くそかっこ悪いな。俺はそんな、そんなスノーが、綺麗で美しい君が好きだ!!」

咄嗟に涙を優しく拭ってくれていたスノーの手首を掴み

痛くないよう腰を支えて抱きしめる

とても軽いスノーはテーブルに着地し僅かに蝋燭が揺れる


「………ははっ、ふふふ」


「ん?ぐすっ………何で笑って」


「ダメだよ上向いちゃ。他人事なのにそんなに泣かれたらさ。びっくりして…本当に真っ直ぐなんだなぁ。君だって俺からしたらとても美しいと思う。太陽みたいだ」


「そ、そんなことはない」


抱きしめていたはずなのに頭を抱き抱えるように、スノーが抱きしめてくれたまま頭を撫でてくれる

そして僅かに額に雫が落ちたのを感じる


「みんなを照らし続ける君は頑張りすぎて疲れちゃうんだ。だからたまには自分のために好きなことをしていいんだ。本来人は心を縛ることはできない。心だけは自由であるべきなんだ」



優しい言葉と真心が伝わってくる


「ならスノー。君は俺にとって月だ。寄り添うようにあって暗闇の中を導くように照らしてくれる穏やかな光だ。ありがとうスノー、君に出会えて良かった」



「月神に怒られてしまうなそれは、フフ。でも頑張り屋のヴァルツが少しでも安らかに生きていけるなら俺は嬉しい。………俺も出会えて良かった」


いい拾い物をしたな


と軽口を挟む

俺もスノーの温もりを感じながら嬉しくなって笑う


きっとずっと満たされなかった空白が

やっと唯一のものに出会えたような喜びに満ちる

幸福をただ感受していた







「ヴァルツ君、ヴァルツ君起きたまえ」


「はい。え、また寝てた?」

いつのまにか机に突っ伏して寝てしまったようだ

先ほどはもう人生でトップクラスの恥ずかしいことがあった。だが溶け合うような幸福感がそこに確かにあったのだ


「寝るならベッドで寝よう。ここで寝れるのは今日が最後だ。ゆっくり体を休めたほうがいい」


「あ、うんそうだな。寝よう」


急いでベッドに横になる

あ、隣には当たり前にスノーがいる。あんなことを衝動的にしたのに恥ずかしい…緊張するぞ


「おやすみヴァルツ、良い夢を」

天井を向いて寝るスノーの横顔を見る


「おやすみスノー、君も良い夢を」




暗くなった部屋に月明かりだけが二人を僅かに照らす

明日からは二人旅だ


すぐにきた眠気に微睡みながら月明かりに触れたスノーを見つめ、眠りについた







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