第30話 π(パイ):ダーレン・アロノフスキー
本書評の28話で、デカルトの「方法序説」について書いたのですが、その本の中に有名な「神の存在証明」についての記載があり、ふと、この映画を思い出しました。
あらすじ
起:天才数学者の主人公は、世界のすべてを数字で表せると考えていた。彼は独力で、最強スペックのCPUを開発し、世界を計算させる。しかし、CPUは突然誤作動を起こし、216桁の数字を無意味にはじき出した。その時から、彼の生活を不穏な空気が覆う。
承:あるバーで、突然ユダヤ人が話しかけてくる。「ヘブライ語は、数字を文字として、扱うことができる。そして、神の名前は、数字で表現すると216桁らしい」
転:主人公は、原因不明の幻聴・幻覚に苛まれ、現実と非現実の境界が曖昧になっていく。
結:省略
面白ポイント①:神の存在証明
→正直、デカルトの証明は、なんか「ん?」っていう感じの印象を受けました。勉強が足りないだけだと思いますが、「方法序説」の記述は、どうも言葉足らずな気がするんですが、どうなんでしょう?
→この映画は、もっと雄弁に語ってくれます。なので、特に予習なしで感じさせてくれます、、、神の存在を。
→主人公は、神に肉薄します。しかし、そこから原因不明の精神障害に悩まされるという話です。彼が、苦悩する理由は、神様が引いた境界を越えようとしたから、、、私はそう思いました。
→神は直接彼に手を下していません。人間とはそういう仕様なのです。電化製品の説明書とかに書いている、「使用温度環境は-20~100℃」という表記と同じです。主人公は101℃くらいの所に来てしまったのです。
面白ポイント②:ニューヨークメッツのデグロム投手
→上記は、私の妄想・小説です。別に神はいるのだ、とか、この映画は人類にとって重要だ、、、なんて言うつもりはありません。というか、神なんていないっしょ、って思っているタイプの人間です。
→ただ、時々、この映画が、頭を横切ることがあります。例えば最近では、MLB最強投手のデグロム選手。彼は、平均100マイルの速球で抜群の制球力を持っていて、防御率0点台とかをキープする、バケモンなのですが、最近、原因不明の肘の痛みで欠場が続いています。原因不明って聞いて、「神の領域に足を踏み入れてしまったのでは?」なんて、妄想しちゃいました。
→あと、作家でいうとやっぱりドストエフスキー。彼は、人類史上最高傑作なんていわれる小説を書いた後、急死します。その小説の冒頭で、彼はこんな趣旨のことを書いています。「この小説は、あくまで本編を書くための前置き、、、」彼は、一体どんな答えを弾き出していたんでしょうね。
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