この世界は

「はぁ、」

昨日の事はあまりにショックで、1日たった今日も、まだ余韻が残っている。

自分が何かそんをした訳じゃなくても、1度期待させられた分、落とされたショックが大きい。

昨日はあとの後、マキさんが宿代を貸してくれた。

それと一緒に「探索者指南」という本を貸してくれた。

そこにはここ、機械都市ガルムやゴーレム、モカさんがサラッと口にしていた創造者の事などが書かれていた。


時を遡る事16年前、突如海に巨大なゴーレムが現れたという。それは、全長6km程の鯨のような見た目をしていて、持ち主は不明だったが、幾つかの国や宗教は、この世界を作った創造者のものだと主張した。近ずいても逃げなかったので、上陸したところ、揺れも無く、何故か住めと言わんばかりに建物があったという。更に、博識な者達が研究を行ったところ、ゴーレムの体内には、膨大なエネルギーが眠っており、体内に潜り込むと、所々にエネルギーが湧き出て、溜まっていることが発覚した。そのエネルギーは、生み出したいものをその価値に見合った分だけ作る事ができるというなんとも都合のいい特性を持っていると分かった。

その結果、それを知った数々の国がそのエネルギーを我がものにしようとしたいくつもの国で戦争が起こりかけた。

だが、あるひとつの国「フジイ国」の外交官であるゴルバチョフの呼び掛けによって国々は調和を取り戻し、彼を代表とする「ガルム」が誕生した。

探索業も、はじめは名前の通り、探索だけを行っていた。だが次第にある問題が生まれてきた。エネルギーを得ようとしたのは人間だけではなかったらしく、虫や小動物が住み着き始めたのだ。しかも、虫や動物達は、エネルギーを摂取することで、身体が強化され、大きすぎるエネルギーによって理性を失い、普通の動物だった時よりも好戦的で凶暴になった。それと戦うために、探索者達は武器やゴーレムと共に潜り、探索と同時に駆除を行うようになり、今の探索業ができたという。


また感じた、このん感覚。

どうん考えても都合が良すぎるのに、何故か理解出来て、それでもって初めて知るのに

、元々知っていたような不思議な感覚。

モカさんの説明を聞いた時も同じように思った。

この世界、どこかおかしい。

この違和感こそが、俺を退屈から引き出してくれるかもしれない。

改めてこの世界に期待を抱く。


そして、身支度を整えた俺は、探索者ギルドへと向かった。

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