『かわうそさん』

やましん(テンパー)

『かわうそさん』


 このお話しは、幻想的フィクションまたは、真夏の怪談です。



         🐹?



 あいもかわらず、ねこママの店である。



うそ五郎


『やましんさん、はじめまして。」



やましんさん


『うあ! きみ・・・もしかしたら、ニホンかわうそくん?』



うそ五郎

 

『そうだよ。うそ五郎です。よろしくね。うそうそ。』



やましんさん


『うそだろ~~~。にほんかわうそさんは、絶滅したとか・・・』



うそ五郎


『まあ、人間は、見えなくなると、絶滅といって、やたら、探し始めるからなあ。うそうそ。でも、ぼくらは、もう、ほっといてほしいだけなんだ。うそうそ。』



やましんさん


『なんで、ここにいるの?』



ねこママ


『まあにゃ。ここの地下には、『秘密の楽園G』につながる通路があるにゃ。ただし、ごきが管理していて、当事者以外は通さないにゃん。こちらのかわうそさん一族も、ごきが保護して、楽園Gに移したにゃんこ。』



やましんさん


『で、なんで、この店にいるわけ?』



うそ五郎


『まあ、ちょっと、じゃやばが恋しくなって。うそうそ。』



やましんさん


『それ、ほんと? うそ?』



うそ五郎


『ほんとだよ。うそうそ。』



やましんさん


『む。かわうそさん自体は、よその国では、いまでも生息しているんだろうけどなあ。国内で見つかったら、事件になる。』



うそ五郎


『まあ、見つかれば。うそうそ。でも、ここは、一種の異世界と聞くし。うそうそ。』



やましんさん


『かわうそさんは、人間を化かすとか、食べてしまう伝承もあるらしいな。』




うそ五郎


『うそうそ。おおかみさんやくまさんの仕業だと思うよ。うそうそ。』




やましんさん


『はあ・・・そうなんだ。まあ、こうやって、話ができること自体が、異世界だもんなあ。』



うそ五郎


『うん。そうだよな。うそうそ。大体、人間とまともに話し合えるなんて、きっと、ここだけだよな。うそうそ。』



やましんさん


『うん。ミルクいかが?』



うそ五郎


『ども。ぐびぐび。うまあ! やましんさんも、どうぞ、いっこん。』



やましんさん


『ども。ここは、良い店だよ。ママ、このミルクも、ぼくの冷蔵庫から出したのかい?』



ねこママ


『もち。にゃんこ。』



やましんさん


『そうか。』



 やましんさんと、うそ五郎は、古き良き時代について、語り合ったのである。



 このお話しは、ただ、それだけの、ことです。



                      おしまい



   *********************

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『かわうそさん』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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