肉体の限界 精神の限界

 ヤフーのニュースとかでは7波がきたとか言ってるが、やっぱり罹る時は罹るものだなと思っている。

 実は人生初の緊急搬送されて病院に駆け込んだ。

 頭がとにかく重い。鼻水がズルズル。ついでに異様に喉が渇く。熱まで出てテンパってしまい、もう救急車を呼ぶしかない。

 自分の身は自分で護るしかない。

 なるだけ冷静に救急車を呼んだが、現場は大あらわになった。

 親御さんは?!

 私のホームに親御がいるわけない。

 親とはもはや絶縁状態だし、居たらとっくに姿を見せてるだろ。

 後で聞いた話だが、それでも両親なりに心配はしてくれたそうで、「娘を宜しくお願いします」とたんぽぽ並木の職員に託したそうだ。

 覚えてくれていて良かった。

 今日は何もかもがあまりにも濃すぎる一日だった。

 採血もして貰ったが軽くホラーな場面に出会った。血を抜く時に注射針を血管に刺す訳だが、看護師さんもオーバーワークなのか、手間取っていた。

 1回目の針は筋肉に刺したのか思うように血液が取れない。管には血は途中まで流れたがすぐに止まった。

 針が抜かれると赤黒い血がホラー映画のようにタクッと血しぶきのように机を汚す。

 意外と人の血は赤黒いなと変な感心をする。他人事のように。冷静にいられた。

 2回目の針は成功。きちんと血管に入って血が抜かれる。そんなに痛く感じない。頭痛がひどいから感覚が変になってる。

 針が抜かれると微かに血がこぼれる。私の赤黒い血痕が机についた。これホラー映画とかスプラッターとか耐性がない人が観たらクラクラするような光景だ。

 自分にされてることなのに平静であった。

 案外、人間ってものは覚悟とか決めると何が起こっても平気なのか?

 単に頭痛で判断力が低下しているだけかも。

 私は実はあまり普段から熱は出さない人間で、出る時は一気にガクッと37度を超えて38度までいくタイプ。

 ちょくちょく熱を出すタイプではないので、微熱程度でも横になるなりして冷やせば何とかなる。

 しかし。そんな理論は覆り、「これはもう限界だ」と救急車を呼んだ。

 ホラーな採血が終わると次は抗原検査。

 鼻の中に検査の棒を突き刺す。

 こっちは初見では「うおっΣ(゚Д゚)」とビックリ。これかなり深い所まで行ってると想いながら一つ終わる。

 片方が終わればもう片方で、「うおっΣ(゚Д゚)」と心で叫びながら、深い所まで来て終了。

 PCR検査はされなかった。

 

「しばらく待っていてくださいね」

「はい……」


 精根尽き果てる私は隔離部屋のような空間で1人残された。

 友人とラインのやり取りして陽性だったら何日籠もるのか、何が必要かを教えてもらった。

 驚いたけど10日間もお籠りしなければならない。その間、買い物しにスーパーに行くのもダメっぽい。

 どーすんのよ。冷蔵庫にはなんにも入ってない。あるのは乾麺とお米である。アマゾンに頼るのも何だかね。

 お米があるだけマシだと思った。最悪の場合はお茶漬けとかチャーハンにして食べればいいし。

 炊飯器が無いのが悔やまれる。

 放置プレイされてふと思う。

 

「ちょっと待て。トイレはどうするの?!」


 尿意がきた。今にも漏れそう。

 少しパニック。

 だがドアは開いていた。

 出入り禁止って聞いたものでね。

 恐る恐る出てトイレに入り用をたす。

 あのまま鍵をかけられたらおもらしする所だった。

 そして2時間ほどの検査の結果。  

 コロナウイルスは陰性と出た。

 抗原検査も、血液検査も、コロナウイルスの所見は見られないとの事だった。

 ポカ~ンと目を丸くする。

 

「じゃあスーパーで買い物も、別にお籠りさんにならなくとも良い?」

「そうですね。大丈夫ですよ」


 50%の賭けに勝った。

 じゃあ今回のこれは?

 

「免疫力の低下による感染症でしょう。まずはしっかりと静養してください」


 今日は土用の丑の日である。  

 鰻の蒲焼きでも食べて英気を養うか。

 肉体の限界も、精神の限界も、思い知った私は無闇な根性論は止めようと思う。

 マジで壊れたらおしまいだから。

 皆さんも、壊れる前に休みを取りましょうね。

 悲惨な目にあってホラー映画を味わう事になります故に。

 

 何か眠くなってきたかも………。

 もう疲れたから私は寝ます……。

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