16・献腎 献眼しなかったから犯罪

 お巡りさん様は言いました。


「貴様が無罪だというなら誠意を見せろ。誠意の証拠として 献腎 献眼しろ」



 俺は断った。

 第一の理由は俺は目に問題があって、献眼したら間違いなく失明するからだ。

 というか、普通でも献眼すれば失明の可能性が高くなる。

 第二の問題として、俺は持病を抱えていて、服薬している。

 で、その薬は内臓にメチャクチャ負担がかかるので、献腎して腎臓が一つだけになれば、臓器の負担が一気に増えて、体がヤバいことになる。

 っていうか、この二つは健常者でも 問題になるので、医師は説明義務があるんだけど、説明しない場合が多い。

 でも 偶然、俺は知っていた。

 だから断固拒否の構えをとった。



「献腎献眼しないのは犯罪者だからだ!」


 というわけで有罪。


 で、後から調べたんだけど、お巡りさん様というのは、容疑者に無罪の証拠として誠意を見せろと言い、そうやって献腎 献眼などを強要するそうだ。

 そして容疑者に献腎 献眼させることができた お巡りさん様は、評価され成績アップ。

 ついでに医者から心ばかりのお礼が貰える。

 ようするに、警察は公然と臓器売買をしているということ。



 そんな感じ。

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