14・今さらカルロス・ゴーン氏の話
すげー 今さら感ありまくりの話題だけど、カルロス・ゴーン氏についての話。
事の発端は、日産が天下りを受け入れまくったことだった。
天下りなんて役立たずの代名詞で、しかも それは天下りを気遣ったマイルドな表現で、ハッキリ言えば人の足を引っ張る害悪な存在。
人の足を引っ張り、会社のお荷物となり、日産は天下りのせいで損害ばかりが膨れ上がり、気付けば三兆円の負債。
で、カルロス・ゴーンに頼んだ。
早速 彼は、大規模なリストラを行った。
日本人は なぜか公務員、とりわけお巡りさん様を美化していて、退職後の彼らの世話をすることを美徳としていた。
一生懸命 国民のために働いてくださったから、我々でお世話しよう、みたいな。
でもさ、公務員もお巡りさん様も、ちゃんと給料貰ってんだよ。
ボーナス良いし。
年金とかも すげー 優遇されていて。
なのに、なんで働かないどころか 人の足を引っ張る奴らのために俺たちが世話しなくちゃいけないの。
でも、天下りはリストラしちゃいけないって事になっている。
海外にも一応、退職後の警官や、退役軍人のための仕事の斡旋とかはある。
でも、それだけだ。
仕事に優先的に就職できるけど、その後 成功するかどうかは本人次第。
ダメだったらバッサリ解雇される。
それが普通。
日本が異常なんだよ。
ダメ人間をいつまでもリストラしないのって。
で、ゴーン氏はそういう海外の感覚だったから、日本人の麗しき美徳(笑)を知らずに、天下りをバッサリ切った。
そしたらお巡りさん様たちはゴーン氏に目を付けた。
「我々の先輩たちをリストラしたのは悪い奴だからだ。なにかとんでもない犯罪を企んでるに違いない」
というわけで、この時点でお巡りさん様たちはゴーン氏を探り始めていた。
月日は流れて、税金関係の書類をミスった。
お巡りさん様たちは大喜び。
「やっぱり悪いことをした! ボクたちの退職後の生活を脅かす奴は悪い奴だと証明されたんだ! 懲らしめてやれー!」
で、色々追求された。
「脱税の他にもなにかしたんだろう!
「日産に損害をわざと与えたんだろう!」
「中東に販売しようとした! テロリストに資金援助した証拠だ!」
「フランス政府が日本を実効支配するために送り込んだ国際スパイだ!」
話がどんどんエスカレートしていく。
証拠は 全部 押さえているとか言ってたけど、なら普通 裁判を起こす。
ところが自白しろと言ってくるだけで、まったく裁判を起こさない。
百日以上もだ。
海外なら、証拠があるなら すぐに裁判を起こす。
ところが 日本は自白をとらないと裁判を起こさない。
そして自白するまで拘束し続ける。
ハッキリ言って異常だ。
そして日本のお巡りさん様は それが普通だと思っている。
実際の所、カルロス・ゴーン氏がした事って、書類のミスにすぎない。
だから、正式なことを踏まえれば、書類を書き直して、追加徴税を払えば、それでお終いのはずだ。
それに管轄は一応税務署のはずだし。
その程度のことなんだ。
でもお巡りさん様は物凄い追求しまくって、しょーもない事に百日以上も拘束した。
そりゃ誰だって怖くなるよ。
でも、ゴーン氏は冷静だった。
たまたまダメ警官に当たっただけで、裁判できちんと弁明すれば、無実を証明できると思っていた節があった。
でもダメだった。
百日以上も拘束されていたんだから、気晴らしに愛する妻と街にデートに出かければ、物凄いバッシングを受けるし。
裁判の準備を始めれば、証拠を隠滅するつもりだとか、お巡りさん様は騒ぎ出すし。
っていうか、お巡りさん様は、証拠は全部押さえたとかって言ってたよね。
証拠はお巡りさん様が持っている。
それなのに、どうやって証拠を隠滅できるんだよ。
で、再び拘束するとか話がでた。
百日以上も続いた悪夢が、また繰り返される。
そりゃ誰だって逃げることを考えるよ。
俺も今の状況から正直 逃げたい。
でも 金がないから逃げられない。
そして、カルロス・ゴーン氏は金とツテがあった。
だから実行して国外逃亡した。
それだけの話だ。
逃がした元軍人の親子は有罪。
取り調べでも裁判でも、犯罪なのかどうかではなく、ただの人格攻撃。
「ニホンのシホーをブジョクちた! とんでもないやつだ!」
とか裁判官はオギャって。
じゃあ、どういうことが司法を尊敬しているのかというと、
「ははぁー! 申し訳ございませんでしただ! お巡りさん様! 天下り様をリストラするなんて とんでもないことをしてしまいましただ! 全部 認めますから どうか許してけろー!」
と 全部 認め、全部 謝罪し、全面的に非を認め、お巡りさん様に許しを請う。
それが司法を尊敬していて、反省した態度になる。
日本のお巡りさん様は今もカルロス・ゴーン氏を追求しているけど、追求というより、人格攻撃で小突き回しているだけ。
そんな感じ。
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