5・工業高校に通っていたから爆弾テロで証拠は猫

 テレビとかで爆弾テロ対策を強化するとか言ってた時期の話なんだけど。


 お巡りさん様は言いました。


「おまえ工業高校に通っていたな!

 時限爆弾を造っている証拠だ!

 爆弾テロを起こすつもりなんだろう!」



 マジなんだよ。

 工業高校に通っていたから爆弾テロ。

 その高校の卒業生は大勢いるのに、なぜに俺だけ爆弾魔?

 しかも別にその高校、爆発物の受業とか全然してないのに。

 っていうか、ただのキモオタの俺がテロとか無理に決まってるじゃん。

 という俺のツッコミは、


「ぐちゃぐちゃわけのわからん言い訳しやがって! テロリストが!」



 で、起訴。

 で、その時、警察が証拠としてあげたのが、猫だった。



 お巡りさん様は言いました。


「被疑者の自宅の周辺で猫が鳴いているのを近所の人が聞いていました。彼が爆弾テロを企ていた確固たる証拠です」



 マジです。

 マジで猫が鳴いていたのが証拠としてあげられた。



 で、裁判官は変な半笑いで言いました。


「まあ、アニメとか見てるからこんなことになるんです。アニメはもう卒業するように」


 で、流れ作業の如く有罪。


 お巡りさん様たちは その場で万歳三唱。

「やったぞ! 我々は爆弾テロを阻止した! バンザーイ!!×3」



 この時 俺が思ったのは、冤罪とかがどうこうとかじゃなくて、

「日本のお巡りさん様の爆弾テロ対策って、こんなのなの?」

 だった。



 そんな感じ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る