　8月9日未明、ロンドン郊外にあるマリア・フェルナンド女伯爵の屋敷にて、女伯爵が寝室で遺体となって発見された。死因は心臓を銃で撃たれたことによる即死であった。捜査関係者によると、当時女伯爵は睡眠薬を服用しており、犯人の侵入には気付く事が出来ず、発見された遺体はベッドの上でまるで眠っているかのようだったとのこと。

　また、フェルナンド家の家宝である100カラットのエメラルドは当時女伯爵の誕生日パーティーで特別にお披露目されていたが、その日の夜強盗が押し入り、エメラルドを盗み逃走。エメラルド盗難及び、マリア・フェルナンド女伯爵殺害の犯人と思われた強盗だが、屋敷から約3280フィート(約1km)離れた場所にて頭を銃で撃たれ遺体となって発見された。エメラルドを所持してなかった事から、警察は仲間割れによる他殺とし、捜査を試みると発表。

　そして、御子息のアーサー・フェルナンド少年も行方が分からなくなっており、フェルナンド一族は未だかつてない悲しみと厄災に見舞われたのである。