船橋殺人事件

鷹山トシキ

第1話 空挺館

安藤

織江

鈴江

天童

長崎

松尾定三  『フェアリーマーク』代表取締役

小川寿英  『小川商事』代表取締役

星野翔 コンビニ店長

大框大志 ヤクザ 

小島道広 推理小説マニア・『東稜』元代表取締役

石橋文作 『石橋鉄鋼』代表取締役

金松知宏 学芸員

吉沢将暉 コンビニ元オーナー 


 2025年8月1日

 鈴江は船橋署の名物刑事だ。

 船橋市は、千葉県の北西部に位置する市。中核市に指定されている。

 人口は約64.5万人で、政令指定都市を除くと最も人口が多い。中核市最大の人口を持つ都市であり、鳥取県の総人口を上回る。千葉県内では千葉市に次いで第2位の人口規模である。


 葛南地域にあり、旧東葛飾郡及び千葉郡(1937年の市制当時の区域は東葛飾郡)。船橋商圏を形成する商業中心都市。構造改革特区および保健所政令市。


 県都「千葉」に対し商都「船橋」との形容もあり商業が盛んである。市の中心部は船橋駅周辺であるが臨海部にはららぽーとやIKEAなどの旗艦店(1号店)をはじめ商業施設が多数立地し繁華街として賑わう。中世には海老川河口の港、近世には佐倉街道・御成街道など交通の要所となり、船橋御殿や船橋宿の宿場町として栄えた。戦後、戦災を免れ物資の集散地として闇市が賑わっていたこともあった。


 船橋は鉄道網が発達しており、10路線、37駅が市内にある。千葉県内各方面の成田国際空港(総武本線、京成本線、北総線)、東京ディズニーリゾート(京葉線、武蔵野線)、東葛地域(武蔵野線、東武野田線、新京成線)、千葉都心(総武本線)、蘇我副都心(京葉線)、幕張新都心(京葉線、武蔵野線)などと東京都心方面(総武本線、京葉線、武蔵野線、京成本線、東京メトロ東西線)との交通の要所となっている。


 戦前から住宅地開発が行われており、高度成長期には、多くの農地や森が大規模な団地などへと転用された。人口の急激な増加により鉄道の混雑が激しくなり、国鉄は通勤五方面作戦にて総武本線の複々線化を行った。船橋の中心市街地は旧宿場町の本町通りと船橋駅から南に延びる駅前通りを中心として古くから繁華街として賑わっていた。国鉄船橋駅前には1967年に西武百貨店、1977年に東武百貨店などの大型店も進出し、中山競馬場(中央競馬)、船橋競馬場(地方競馬)、サテライト船橋・オートレースふなばしがあり娯楽施設も充実している。かつては遊廓などの花町や船橋若松劇場、高度成長期には湾岸部に船橋ヘルスセンター、船橋サーキット、船橋飛行場などのレジャー施設、90年代には屋内スキー場のららぽーとスキードームSSAWSが営業していたが、再開発によりららぽーとやイケアなどの商業施設や高層マンション群に変貌している。1990年代以降、湾岸部や内陸部に大規模なショッピングセンターが相次いで開業したため、商業施設は市内各地に分散化の傾向にある。


 明治以来、船橋では軍事施設が増えたため、軍の将校、外国の武官、留学生などの住宅が建てられた。1933年(昭和8年)、京成電鉄が海神駅北側の海神台や風光明媚な海神山(丘陵地)に開発した海神台分譲地(海浜別荘住宅地)が売り出された。また、花輪台(宮本6丁目周辺)では、明治40年頃に凸版印刷の創始者・伊藤貴志の別荘(伊藤別荘)が建てられ、大正期には東京両国で広く洋紙卸業を営んでいた山崎梅之助の息子・山崎鉦三が迎賓館的な使用を目的として山崎別荘(凌雲荘)を建てるなど「西の海神、東の花輪台」と呼称される別荘地・高級住宅街となった。近年では湾岸部の京葉線沿線では工場や倉庫の跡地に集合住宅が建てられ、内陸部の東武野田線沿線、東葉高速線沿線では、新興住宅地の開発が行われている。東京都心や成田国際空港・東京国際空港へのアクセスの良さや、商業施設の充実、整備された公共施設、自然豊富な住環境が整っている。買って住みたい街においても、首都圏第1位を記録するなど定住を目的としたファミリー層を中心に支持を受けている。

 

 鈴江は暑さにハァハァしていた。スマホの温度計を見たら37℃あった。自分の体温より高いんだ暑いわけだ。

 船橋には多くの城館が残る。

 鈴江は空挺館くうていかんにやって来た。

 空挺館は、千葉県船橋市の陸上自衛隊習志野駐屯地内にある展示施設である。前身は1911年に騎兵連隊御馬見所として天皇や皇族が馬術などの観賞を目的に建てられた迎賓館用途の建物である。習志野名所のひとつ。

 建物はコロニアル様式を基調とする様式だが、陸軍内の施設の為、外観はほとんど装飾がなく簡素なものとなっている。創設当初は、2階ベランダの上に千鳥破風が付いているなど和洋混在の外観だったが、移築の際に一部改築が加えられ、現在のような洋館らしい姿に整えられた。

 

 館のトイレで男性が亡くなっていると通報を受けて鈴江は駆けつけた。

 第1発見者は学芸員の金松知宏だ。

 鈴江はお手上げで、県警捜査一課の安藤警部補に協力を求めた。  

 安藤は簡単にトリックを見破った。

「掛け金を、氷などを利用して部屋を出た後落としこんだんだ」


 船橋署の捜査本部に安藤と鈴江は赴いた。

「ガイシャの身元が分かったぞ」

 安藤の上司、天童警視が資料を持って近づいてくる。

「誰なんです?」

松尾定三まつおていぞう、『フェアリーマーク』の代表取締役だ」

「アソコのチキンは美味しいですよね?」と、鈴江。

「コンビニ内に充電スペースがあるのはありがたい」

 安藤は席についた。

「アソコの筆頭株主が東稜とうりょうから小川商事に最近変わったな?」と、天童。

「そうなんですか?」

 安藤は織江に会いたくて仕方なかった。榎本織江えのもとおりえは安藤の後輩刑事にして、恋人だが、最近刑事を辞めて小説家になった。

「日経読んでないのか?」

 天童が苦笑した。

「松尾の死因は、頚椎損傷と出血多量によるものだ」と、天童。

 松尾は首を鋭利な刃物で切られていた。トイレは一面、血の海だった。


 小島道広こじまみちひろは船橋図書館で本を読んでいた。

『ビッグボウの殺人』📕

 ロンドンのボウ地区で下宿屋を営むドラブダンプ夫人は寝坊してしまい、下宿人のモートレイク氏は、すでに出かけてしまったらしい。あわててもう一人の下宿人のコンスタント氏を起こしに二階へ上ったが、ドアには鍵がかかり返事がない。不安になった夫人が、近所に住む元刑事のグロドマンを呼び寄せてドアを破ってみると、喉を切り裂かれたコンスタント氏の死体が横たわっていた。

 




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