第43話 準備ok
慧仁親王 安芸・宮島 1522年
何をしている時に1番悦びを感じるかの質問に対して、日本と台湾以外の国は性行為と答えた人が1番多かったそうだ。日本で1番多かったのは、美味しい物を食べている時に1番悦びを感じるって答えだったそうです。何を言いたいかと言うと、醤油が欲しいって事です。味噌は有るんだよ、味噌は。醤油が欲しいの、醤油!ただただ、作り方が分からない。やれやれ。味噌たまり舐めてみようかな。
「土佐一条家、一条家忠様、謁見を申し出ておりますが、如何致しましょう?」
「広間に待たせろ」
「畏まりました」
平伏する宗珊に対して、上座に座ると、
「お初に謁見賜ります、一条家家臣、一条家忠に御座います。房通さまより書状が届き、本日は急ぎ参上致しました」
「慧仁だ、家忠、面を上げて良いぞ」
「はっ」
「さてと、どうするか、土佐一条家についてと、家忠自身について、どちらから聞く?」
「では、土佐一条家についてお聞きしたいと思います」
「そうだな、土佐一条家については2つに1つだ。1つは、そのまま土佐に残って三好の下に付く。もう1つは、石見・出雲・伯耆を任される。この2つのうち、どちらかを選んで欲しい」
「石見、出雲、伯耆の3ヶ国ですか、これはまた極端で御座いますね」
「ちょっと近くに」
「はっ」
家忠が膝を進める。
「石見では銀が採れるけど、その銀山は朝廷の直轄になる。重要地点なので一条家に任せたいと思ってな。出雲・伯耆はついでだ」
「それで、私に関しましては」
「天照大御神様のお告げだ。家忠を召し上げて側に置けとの事だ。まあ、慌てる事は無い。一条の国替えが終わってからだ。一条家の国替え、頼んだぞ」
「御意に」
〜・〜
「約束を破ってしまって、本当に済まないと思っている」
毛利に会って、初めから平身低頭だ。まあ、怒らないとは思うが、一応、人としてね。準備もしてただろうしね。
「元就には備後・備中を任せる。今度こそ任せる。陶、村上と組んで、尼子を抑えて欲しい」
「勿体ないです。頭をお上げ下さい。備後・備中で不満は御座いません。逆に紀伊へ国替えをする事を考えれば、願ったり叶ったりです」
「だよな。その方がすんなりと行くよな」
「準備は始めてましたけど」
「何だ、不満か?不満なのか?」
「いえいえ、その様な事は申していません」
「じゃあ、決まりだな。良かった、良かった。大内と陶と村上を呼べ」
中国地方が片付いた。
「揃ったか。行雅、例の物を」
「御意」
行雅は1つの葛籠を持って来る。蓋を開け、丁寧に俺に渡す。
「錦の御旗だ、下賜する。お守り程度には成るだろう。追って綸旨も下る。全ての人が日の本の民だ。戦はせぬ事を優先してくれ。しかし、言って聞かぬものは攻めて構わない。それも戦国の世だ」
「御意に」
「義興、筑前の博多はな、今後西日本一の港街に成るだろう。そして日の本の夷狄からの備えになる。陶と力を合わせて日の本を守る土台を作ってくれ」
「はっ、畏まりました」
「隆勝、これからは船の時代になる。造船、操船の技術の向上を隆勝に任せる。励んでくれよ」
「はっ、励みます」
「それでな、堺で農業指導を始める。石高を増やす為にも人をやって農業指導者を増やしてくれ」
「御意に」
一通り話し終えると、眠気がどっと押し寄せて来る。でも、体力がついたのか、生活に慣れてきたのか、大分眠くならなくなって来た。
「俺は少し横になる。皆で話し合って、分からない事が有ったら、後ほどにでも質問してくれ。えと、義興、宴とか用意してるのか?」
「はっ、牡蠣もたんまりと掻き集めて参りました。カキだけに」
「ハハハハハ、楽しみにしてるぞ。では、後ほど」
俺、頑張った。
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