宮様だって戦国時代に爪痕残すでおじゃるーー嘘です、おじゃるなんて恥ずかしくて言えませんーー
真夏さん
第1話 母親の死と言うヘビーな始まり
智仁親王 京 御所 1521年 師走
「慧仁!目覚めたか!心配かけおって」
慧仁が原因不明の昏睡になって一月、やっと目覚めおった。
「おもうさま、おたあさまは?誰も教えてくれないの。」
慧仁の母親、正室の栄子が薨去して一月。慧仁は英子の薨去の知らせを聞くと、そのまま気を失って昏睡状態に陥った。
ん~、もう一度、話すべきか・・・
ん?え?ええええええええええええ!!
「お前、話せるのか?」
驚いてそう尋ねると、慧仁は『何言ってるんだこの人は』といった面持ちで、
「もちろん話せます。それより、やはりおたあさまは薨去なされたのですね?』
と聞き返された。
「やはりとは、栄子が薨去したのを覚えているのか?」
「いえ、天照大御神様がお話しして下さいました。あたあさまは天照大御神様の下へ参ったと。その後も嘆く私を慰める様に、この世のいろいろな出来事や知識をいろいろとお話し下さいました。」
「天照大御神様が!?」
「はい、そして最後に私の中に眠る天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)様を目醒めさせて頂いた所で目が覚めました。」
「なんと!オモイカネ様がお前の中に!」
「はい、オモイカネ様が私のな・・・」
ガクッと慧仁の力が抜けて・・・スーッと寝息を立て始めた。
なんと、オモイカネ様が慧仁の中にとは・・・
竹宮慧仁 京 仙洞御所 1521年 師走
ああ、マジ寝してしまった。
仕方ない、まだギリギリ1歳児だもん。前世なら0歳児。そりゃ電池が切れた様に寝落ちするって。
しかし、上手くいったかな?
オモイカネって智慧の神様。喋れてもおかしくないよね?ね?
この時代、まだまだ非科学的な事が信じられてる時代だもんね。強引に押し切ってやるぜ。
「殿下、起きられましたか。しかは、しかは殿下がまた眠ったまま起きなくなるかと心配で心配で。」
「そなたには心配かけた。申し訳ない。」
「殿下、勿体ないお言葉です。しかも立派にお話しになられて」
しかは俺の乳母である。俺が産まれる一月くらい前に息子を産んでいて、産後の肥立が悪い母に代わって乳母として使えている。いわゆるロリババアで産後でもBカップくらいかな?良い感じのちっぱいである。
ババアと言っても30代前半かな。母乳タイムは幸せタイム。バンビちゃん大好き。心配かけてごめんね。
「陛下とおもうさまとお兄様に手紙を書く。雅綱をここへ」
飛鳥井雅綱。名家飛鳥井家の跡継ぎで、しかの夫である。
雅綱の娘はこの縁で兄嫁にもなるんだよな。目々ちゃんは側室だけど。
「陛下とおもうさまとお兄様に手紙を書く。代筆を頼む」
3人で話しがしたいので時間の都合をつけて貰えないかお願いの手紙を代筆して貰う。
「手紙を届けたら、日時の調整を頼む」
「御意に」
雅綱が戻るまで、幸せ朝食タイム。だって1歳児だもん。お腹空いたもん。分かってる。吸うけど転がさないよ。
しかは・・・ショタだな。さっきまで大人言葉で話してた俺にも、幸せそうに授乳してくれる。
マジ天使。
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