今日からユウレイ〜死んだと思ったら取り憑いてた⁉︎〜

さこゼロ

第1話 悠木玲奈

 迫り来る、大型トラック。


 振り返った視線の先には、必死に手を伸ばすあの人の姿。


 ああどうか、


 気にしないでください。


 貴方はただ、


 この場に居合わせた、だけなのだから……


 ~~~


 これは一体、どうなってるの?


 悠木玲奈ゆうきれいなは、ベッドに眠る男性を眼下に見下ろした。どう考えても、自分は空中に浮いている。


 横手にある窓に手を伸ばすが、触れるどころか、そのまますり抜けてしまう。


 ならばと動き回ってみるが、どうやら彼を中心に一定範囲しか移動出来ない。


 悠木玲奈は考え込むように両腕を組むと、瞳を閉じて宙を漂う。


 思い出せるのは、


 自分の名を呼ぶ男性の声と、狂ったように鳴り響くクラクション。


「もしかして私、幽霊ってヤツ⁉︎」


 両目を見開いた悠木玲奈は、再び男性の寝顔をまじまじと見つめた。


 幸か不幸かこの男性、


「この人、コンビニのお兄さん…だよね?」


 絶賛片想い中の、相手であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る