"COPY BOY" ぼくのクローンは小学生

シオツマ

第1話 「はじめに」

ワケあって、


僕はクローンと暮らしている。




そいつは「チビ」。小学2年生。8歳のまだ子どもだ。




顔は、幼い頃の僕と全く同じ。姿も同じ。ホクロもすべて同じ位置にある。


21歳大学生の僕と、好きな食べ物も同じ、爪をかむクセも同じ。


生意気にも、同じ相手に恋をする。


僕たちは、とっさの言葉や行動が同時にシンクロすることがある。テレビの双子タレントみたいに。


ジャンケンするとなかなか決着がつかないことも。




この世にクローンがいる。


…なんて、もちろん信じていなかった。




だからアマゾソでDNA鑑定キットを買った。


綿棒で頬の内側をなぞって僕とチビの細胞を送ってみたら、業者から返ってきた報告書には、まるであきれたかのように簡単な一文だけがあった。


「一致。同一人物のDNAです。」




なんで、こんなことになっちゃったのか。


よかったら、そのワケを聞いてほしい。






(つづく)

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