幼馴染禁止令

松岡美緒

第1話 いつも

私には、幼馴染がいる。河村直哉かわむらなおや、14歳。

同い年だけど、ちょっと大人びている。そんな直くんに恋をしてからもう7年経つ。

直くんに好きだと伝えたことだって、何度もある。でも、どうやらコイツ、一筋縄では落とせないみたい。


「ほーのか。」

いつも通り、朝からコイツに起こされる。分かってるよ、なんてありきたりな返事をして、布団から出る。

12月。どうしようもなくド田舎で、とてつもない寒さ。朝の6時なんて、気温が-5℃。

そんな田舎でも、ちゃんと学校はあるし、朝部活だってある。

「おーい。サッカー部マネージャーがこんな''ねぼすけさん''で良いのかよ。」

「その言い方、やめれる?」

昔から男勝りな性格で、言葉遣いだって荒い。これでも気にして話してはいるものの、たまにボロが出てしまう。特に直くんの前では…。

「いつも思ってたんだけどさ、穂乃果ってなんでそんな可愛くないわけ?サッカー部マネージャーって言ったら、ちょー優しくて可愛い!ってイメージなんですけど。髪は綺麗だし、顔もまぁまぁなのに、その捻った性格、どうにかなんないもんかねぇ。」

「朝から勝手に家に上がり込んで、愚痴ばっかり言わないで。お母さんに許されてるからって、早朝から人ん家くるとかやばいからね?それから、褒めてから落とす教育そろそろやめてよ。」


はいはい。どーーせ、可愛くないですよ、私なんか。


まったく………可愛すぎるんだよ、お前は。

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