夏休みから始まる計画的実行。〜頑張って幼馴染から彼女になりたい!!〜
遊真野 蜜柑(ゆまの みかん)
第1話① お知らせは突然に。
7月頭の日曜日の夕方、母親と二人でのんびりと夜ご飯の準備をしながら何気ない会話をしている時にふと母親がお隣さんから聞いたと話をしてくれた。
「そうそう、お父さん。今年はお隣の透悟君、夏休みに帰ってくるんだって。」
「おー、そうか。今年は帰ってくるのか。」
聞こえてきた会話に私は盛り付け途中のレタスの水切りも中途半端にして母親を見上げて言った。
「えっ!?透悟君、今年の夏休みは帰ってくるの?!」
私は思わず大きな声を出してしまった。
ぐりんっと勢いよく母親の方へと向いた私に母親はちょっと驚きながら鍋の火を止めてから優しく言った。
「そうよ、来年大学四年生になるから進路に付いて話をするついでに帰ってくるそうよー。」
私は堪らずに嬉しそうな顔をしてしまっていた。
そんな私に母親は優しく微笑みながらお皿などを準備し尚も続けて話してくれる。
私も急いでもう一度レタスを水切りしたりしてポテトサラダを綺麗に盛り付けた。
「だから帰ってきたらまた合同でバーベキューでもしましょうねって話してたのよ、お父さん良いわよね?」
ソファーでテレビを見ながら聞いていた父親が笑顔で母親の方に向き直りながら楽しそうに言葉を話す。
「おー、良いねぇ。透悟君ももう酒が飲める年齢だからねぇ。これはますます楽しみだなぁ」
自身の息子の様に成長を嬉しそうに語りながらテーブルへと移動してくる。
食卓には私が頑張って作ったポテトサラダや綺麗に盛り付けられたカレーライス、付け合わせにと小皿にらっきょう漬けと福神漬けが並べられ、準備が終わった母親と私もそれぞれの席へと座る。
「「「いただきます。」」」
食欲をそそるカレーライスの匂いを嗅ぎながら先ずは自分が作ったポテトサラダに手を伸ばす。
器を持ち上げて箸で掬い口に運ぶ。
パクッ。
もぐもぐ……ごくん。
うん、美味しく作れた。良かった。
今日はマヨネーズが控え目でピリッと塩胡椒を効かせたタイプのポテトサラダだ。
もちろんキュウリはスライスしてから塩揉みしたし、人参がいいアクセントと彩りに一役買ってくれている。
「今日のポテトサラダも美味いなぁ。」
「ありがとう、お父さん!」
「お、今日のカレーは豚肉か」
ニコッと笑いかけてくれた父親の視線が今度はカレーライスへと向き、今日のメインであるポークカレーを食べ始める。
今日のカレーは人参とじゃがいもはイチョウ切りタイプで豚肉はゴロッとした物がゴロゴロと入っていた。
家のカレーは母親の気分で毎回具材の切り方やお肉、ルーも違うものだったりするので甘いの(バー○ント)から辛いの(ジャ○)まであるので毎回同じカレーにはならない。
たまにこく○ろも使うよ。
ちなみに私はツナ缶&マッシュルームがお気に入り。
コーン入りのカレーも美味しいよね。
コーン入りは甘いからか夏のトウモロコシが旬の時期に作る位だけど。
今回は普通のカレーの様でルーは辛めの物だけど野菜の旨味で美味しい。
(前回の鶏肉とマッシュルームも美味しかったなぁ)なんて思いながらモグモグと食べ進めていく。
「ごちそうさまでした。」
手を合わせて言い終えると、食器を重ねてシンクへと運び、さっと水につける。
両親のもシンクへと片付けて洗い物をしながら先程の母親との会話を思い出す。
(透悟君が帰ってくる……どうにかして夏休みに会う回数増やせないかなぁ……)
透悟君とはお隣さんの息子で私の初恋の相手で現在進行形で大好きな人なのです。
大学生の透悟君は現在隣県の大学に通っている為、一人暮らししている。
その為、帰って来た時しか会えないのでどうにか会えるチャンスを作りたい。
でもどうやって会えるチャンスを作ればいいんだろう……?
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