第10話

「そいうや、真琴はどうしているかな?」

ロビーの椅子に腰を下ろす。


「喉が渇いたな」

近くの自販機で、ジュースを買う。

10円高い。


でも、気にしないでおこう。


「正くん」

声をかけらえる。

真琴か・・・


その姿を見て驚く。


「なんだ?その恰好・・・」

「似合う?」

「そりゃあ、まだ18歳だし、似合うけど」

「良かった」


真琴が着ているのは女子高生の恰好だ。

ブレザー。

しかし・・・


「この制服はね、都内の女子高の制服なんだ」

「おしゃれだな」

「うん。有名デザイナーが、デザインしたらしいよ」


だが・・・


「スカート、短すぎないか?」

「私も、そう思う。でも、若い時しか着れないからね。

いいと思うよ」

確かに、ミニスカートは若い時にしか着られない。


「それは、モデルの仕事か?」

「オフコース。まあ、正しくは学校の案内の写真らしいけどね」

何でもありだな。


「正くんは、決まったの?」

「うん。あっさりと・・・」

「よかったね」


いえ、逆に怖いです。


「で、どんな仕事?」

肝心な事を思い出す。


「訊くの忘れてた。訊いてくる」

あわててUターンした。

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