いつか帰る場所へ

勝利だギューちゃん

第1話

「海か・・・」


眼の前に、青い水平線が広がっている。

静かに波音が立っている。



生命の故郷


いつかは、僕もここに帰る。

それはまだ先だと思っていた。


しかし僕は、今自らの意思で、その故郷に帰ろうとしている。


この国は島国で海に囲まれている。

その中から、ある場所を選んだ。


僕は5歳の頃、ここで命を落としかけている。

詳しくは省くが、一度命を落としかけた場所に帰るのも、一興。


こうして、現世に別れを告げ、故郷に向かって歩き出した。


「そこのおじさん、何してるの?」

女の子の声がする。


「空耳か・・・」

「お兄さん、何しているの?」


空耳ではない。

僕は、その声のするほうを向いた。


そこには、ひとりの女子高生がいた。


「定番だな」

本音がもれる。

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