第50話 残り六人
あちこちで紫の建物が壊れていく。
夕方なのに、紫色のイマジン空間のせいで時間感覚があまりない。
4対2になっている。
それを、コハルが見ていなかった。紫色になって、アラタのほうを見ていた。
ジャニュとフェブとマーチとジュラ対、ノーベンとディッセ。
ノーベンを操るのはハナコ。ディッセを操るのはツヨシだ。
カンサロウケであるジャニュとフェブは強い。戦況は、ある意味安定していた。
ササメとネネが、力不足を悔しがる。
「ロウケの力があれば、こんな無様な戦いを」
「することないのにね。全くだわ」
弓矢と槍で、ディッセを追い詰めていった。
「さすが、美しいお嬢さんたちだ」
ツヨシはぶれない。
「いま言うことではないでしょう?」
ハナコの言葉には、すこしトゲがあった。
「ここだ!」
フェブの攻撃。カンサロウケの一撃は、重い。
ノーベンをかばって、ディッセが致命傷を負う。
痛みをこらえるツヨシ。ここで倒れるわけにはいかない、といった風に、歯を食いしばっている。
「まだだ。せめて、フェブだけでも!」
「もういい」
ハナコの言葉に耳を貸さないツヨシ。最後の力を振り絞るかのように、技を構えた。
「美しいハナコさんのために!」
「ラストアーツ!」
ミズチが叫んだ。とどめをさすつもりのようだ。
「お、おい。もう勝負はついただろ」
アラタが焦る。戦いをやめさせることを考えているため、とどめを刺すのを
フェブの特殊な大技、
「ど、どうして」
「どうしてかしら、ね」
ハナコのカンサ・ノーベンが光となって消えた。
バトルロイヤルの参加者は、現時点で残り七人。
コハルが驚いている。あたふたして、アラタに助けを求めた。
「き、気絶したわよ。大丈夫?」
「気にするな!」
戦いながら、アラタが
ササメが言う。
「
「美しいあなたに倒されるなら、
ジュラの大技である一点突きがディッセにヒット。ツヨシは、微笑んでいた。
「容赦ないな」
アラタがぼそりと言った。
「せ、世界中の美女のために」
バトルロイヤルの参加者は、現時点で残り六人。
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