第14話

入院31日目


母親と俺を入院させたカツさんがいつ頃退院できるか主治医に聞くのも兼ねて2人で面会に来た。


母親が「元気してた?」

おれ「で、いつ退院できるの?」

母親「まだいつ退院させれるかわかんないって。」

俺はあまりの理不尽な気持ちから涙が出てきた。

カツさん「おまえの気持ちは分かる。おれたち仕事抜けて来てるから、もう行かなきゃならん。」

母「じゃあ、帰るよ。またね。」


帰った後もめそめそ泣いていると、向かいの加藤さんが

「そんなに泣くことないってー。俺なんかさ、嫁さん障害者だしさ。」

「そうなんですか。うっうっ、、。」

時間は過ぎて夕方になった。

背の高い人がやってきた。

「作業療法士の加藤です。今回、新太さんがOTに参加するということで来ました。」

「はぁ、そうですか。どんなんがあるんですか?」

作業内容の書いてある紙を渡された。

「カラオケ、体育館で運動、OT室で作業、食堂で体操。などなどあります。」

確かに、お昼過ぎになると食堂から何かをするような声がするのがわかった。


「絶対に入らなきゃいけないんですか?」

「治療の一環なので。」

「わかりました。じゃあ食堂のこれやります。」

「では、来週からよろしくお願いします。」


夕飯はイカだった。歯応えはあるが、おいしいと言えるものではなかった。 


後味の悪い一日になった。








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