第12話

入院5日目


昼に隣の保苅くんに面会人が来た、お母さんのようだ。

ここにいて、わかったことがある。どうやら隣も引きこもりらしい。

でもこのお母さん怒るとヒステリックのようで怖い。

「においうざい。」

「障害者うざい。」

俺のにおいに対して怒ってるみたいだった。俺のおならは止まらない。

こんな寛容になれないヒステリックなお母さんだから息子さんはこんなことになってしまうんじゃないんだろうか。

俺も幼いなりに悟るようになった。

保刈くん、面会になってもお母さんが一方的に話して保刈くんからは話さない。

なんで他人のバックグラウンドに干渉しているんだろうか。

きっとおれは良い経験をしているんだろう、とそう思った。


お風呂は夕方だった。同じ病棟でも2つに分かれていて、3Bと3Cがある。


3Bが朝お風呂に入るから3Cの俺たちはその後だった。シャワー室もあるらしいが、おれはお風呂が良かった。

お風呂の時間になった、同じ病棟の人が集まる。

長期的に入院してる人は隣の病棟らしく、同じ病棟の人達は短期入院らしい。俺も数ヶ月で出れるんだろうか?そんな期待を抱いていた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る