第10話

3日目


朝食というか食事は食堂で食べるのがルールらしいが、俺は部屋におぼんを持っていて食べていた。


そこまで人と関わるのを避けていた。だって、その時まだ17歳の高校生だったから、という理由もある。

部屋で食事をとっていると、早く食べ終わって戻ってきた斜め向かいのおじいさんが、「ゆっくり食べろ。」と言ってくれた。


朝が過ぎて昼食がやってくるその1時間前ほど、ナース服ではない掃除係?のような白い服を身に付けた人が部屋に入ってきて、掃除をして行った。


その次いでなのか、女性の掃除係?の人が斜め向かいのおじいさんと話をしていた。

女性が

「今日何おやつ食べんの?」

「どら焼き食べんだ。100万減っちまった。」

「えー100万円あんの?見して、見してよ?」

「ダメだ!誰にも渡さねえ!」

「えー怖いー。ねえ、誰と売店行ってきたの?」

「美人の看護師さんだ。」

「竹内さんのことでしょ??あたしも美人でしょー?」

「‥‥」

このお爺さんは喋りやすいのか?モテるのか?俺にはよく分からない世界だった。

昼食を終えると、

「新くーん、面会だよー。」

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