実話です。

 私がバスを待っていると、何処どこかのおばさんが座り込んで 


「ま〜あ! 可愛いわね〜」


 ……と言って、道端にいた仔猫を拾い上げた。


 片眼に、何か分泌液がこびり付いていた。



 それを見たおばさんは、仔猫を投げ捨て、何事も無かったかのように立ち去った。


 私は、可哀想になり、会社に遅刻の連絡を入れ、そのネコを上着に包んで(私は自分のペット以外の生き物に触れない。)近くの動物病院に運んだ。


 幸い、大きな怪我は無いそうだが、眼の病気は治すのに時間がかかりそうだった。


 先程の出来事を先生に話したら「そう言う事なら」……と、少し離れた場所ではあるが、保護施設を紹介してくれた。


 会社には理由を話して有給休暇を貰い、その足で、保護施設に向かった。


 ……係員の方は、今回は特別……と言う事で快く預かって下さった。



 ……その後、その猫は、親切な方に引き取られたそうだ。


 捨てる神あれば拾う神あり……を実感した出来事だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る