地方創世! 都道府剣47
渋谷かな
第1話 東京刀、沖縄剣
「私の名前は小池ユリ。私の夢はアイドルになること。」
百合はアイドルになることを夢見る少女だった。
「そのために他の都道府県のアイドル候補生たちをぶっ倒す!」
何が何でも戦闘モノになる。
「都道府県対抗! アイドル・オーディション?」
天の声が説明すると、全国のアイドル候補生が戦って最後に残った都道府県の娘がアイドルデビューできるという、今時のアニメやゲームによくある設定である。
「天下統一だ! 私はアイドルになるぞ! うおおおおおー!」
百合の野望は燃え上がる。
「アチチチチッ!」
少し火傷する。
「でも戦いといっても私はケンカなんかしたことないわよ?」
ユリは普通の女の子である。
「え? 都庁に行ってみろって。」
天の声が聞こえたユリは都庁に移動する。
「これは!?」
都庁には刀が刺さっていた。
「これを抜いた者が東京都代表のアイドル候補生ってことね。よし! 引っこ抜いてやる!」
ユリは刀を握って引き抜こうとする。
「うおおおおおー!」
刀が台座から抜けた。
「やったー! これで私が東京都代表のアイドル候補生ね!」
ユリは刀に彫ってある刀の名前を見た。
「東京刀・・・・・・。ダジャレかよ。」
寒い北風が吹いた。
「これで私が東京都代表のアイドル候補生よ! 天下統一してアイドルデビューしてみせる!」
ユリは東京都代表になった。だがアイドルになるのも大変である。
「東京バナナです。美味しいです。アハッ!」
東京都アイドル候補生は地元の名産を宣伝して売り込まなければいけない。
「アイドルって大変だな。」
夢と現実で揺れる乙女心。
「まずは刀でも降ってみますか。」
ユリは刀を振る。
「エイ! ヤア! タア! 良い感じね!」
ユリは刀を振り回すのが上手だった。
「うおおおおー!? 刀から鳥が出た!?」
東京都の鳥ユリカモメである。決してお台場に行くモノレールではない。
「変わった刀だな。まあ、いいや。」
ユリは特に気にしない。
「これで私も戦える! 全国統一するぞ! おお!」
一人でも盛り上がるユリ。
「そうはさせるか!」
そこに何者かが現れる。
「何者だ!?」
ユリは尋ねてみる。
「私の名前は酒呑童子。世界征服を企む悪の軍団ジョーカーの日本支部の三大幹部の一人だ。」
ジョーカーという悪の秘密結社があるらしい。
「悪の軍団ジョーカー!?」
ユリは初めて悪の軍団があることを知った。
「そう簡単にアイドルになれると思うなよ。私たち悪役がおまえたちアイドル候補生たちの夢を叶えるのを邪魔するのだ。」
悪役なのに丁寧に説明してくれる酒呑童子。
「そうはさせるもんか! 私の夢は自分で切り開く! 勝負だ! 酒呑童子!」
ユリと酒呑童子の戦いが始まる。
「かかってこい! 遊んでやろう! アイドル候補生よ!」
酒呑童子は金棒を構える。
「エイ! ヤア! トウ!」
ユリは刀を振り回す。
「ワッハッハー! こんなものか。痛くもかゆくもないわ!」
酒呑童子はアイドル候補生になったばかりのユリが戦えるようなレベルの相手ではなかった。
「これでもくらえ! 鬼に金棒!」
酒呑童子は金棒を振り回す。
「キャアアアアアアー!」
金棒の一撃を食らったユリが吹き飛ばされる。
「たわいもない。これがアイドル候補生の実力か。世界征服の邪魔になると思っていたが大したことはなかったな。小鬼ども、アイドル候補生を倒しておけ。ワッハッハー!」
笑いながら酒呑童子は去って行った。
「オニオニ!」
小鬼たちが10人位現れる。
(痛い・・・・・・本当に痛い。)
ユリは酒呑童子の金棒を食らって瀕死の重体だった。
(これがアイドルになるってこと!? 私は夢を叶える子とはできないの!?)
夢を叶える現実の厳しさを思い知らされる。
(諦めるものか! 諦めなければ、きっと夢は叶えられる! 私は夢を叶えるんだ! 私はアイドルになるんだ!)
ユリは不屈の闘志で不死鳥の様に死の淵から蘇る。
「うおおおおおー! 燃えろ! 私の魂よ!」
ユリは全回復した。
「オニオニ!?」
小鬼たちはゾンビを見るような目でユリを見て驚く。
「いざ! 尋常に勝負! おまえらなんかに私の夢は負けたりしない!」
ユリは東京刀を構える。
「くらえ! 小鬼たち! これが私の秘剣! ユリカモメだ!」
ユリは必殺の一撃を放つ。
「ガオー!」
刀からユリカモメが飛んで小鬼たちを攻撃する。
「ギャアアアアアアー!」
小鬼たちはユリカモメに倒された。
「やったー! 勝った! 夢の力は無限大よ! エヘッ!」
大喜びのユリ。
「私はアイドルになる! 絶対に全国制覇してみせる!」
新たに決意するユリであった。
「それでは勝利の歌を歌おう!」
勝者は歌を歌うことが許される。
「はあっ!? しまった! 私には自分の歌が無い!」
アイドル候補生は大先生から歌は貰えない。
「自分で作詞から始めますか。」
ユリは作詞を始める。
「・・・・・・。」
しかしユリは歌詞が思いつかなかった。
「素敵な東京。元気な東京。強いぞ東京~。はい!」
音痴な歌詞が製造されていく。
「お母さん! 私、アイドルになる!」
ユリは母親にアイドルになりたいと言う。
「無理無理。あんたなんかアイドルにはなれないわよ。」
軽く母親に夢を貶される。これは母親が子供の可能性に気づいていないということである。
「お父さん! ユリがアイドルになったら嬉しいでしょ?」
ユリは父親にも聞いてみた。
「バカな話はやめて、しっかり勉強しなさい。勉強して結果を出すしか良い就職はできないのだから。」
父親も娘の夢をバカにする。これは父親が娘の可能性を信じていないということである。
「先生! アイドルになったら学校をやめます!」
ユリは学校の先生にもアイドルになることを言ってみた。
「寝言はよせ。仮にアイドルに慣れても学校には通うのが今時のアイドルだ。文武両道というやつだ。」
先生はアイドルは華やかだが飯が食えるほどギャラは貰えないのは知っている。文アイドル両道である。
「お母さんもお父さんも先生もバカ! 子供の夢を否定するな!」
ユリは子供心に大人が嫌いになった。大人とは夢の無い人かも知れない。
「これだけ否定されても私は夢を諦めなかったもんね。」
ユリは負けず嫌いであった。
「私は東京都のアイドル候補生になったぞ! うおおおおおー!」
ユリの情熱が燃えている。
「エピソードも飽きてきた。さっそく他の都道府県に攻め込むぞ!」
ユリの炎が燃え盛る。
「まずは・・・・・・沖縄県だ!」
ユリは日本地図の下から攻めることにした。
「飛行機に乗れるなんて私も出世したものね。アハッ!」
移動は都道府県アイドル・オーディション運営が交通費を出してくれる。
「やって来ました! 沖縄県!」
ユリは沖縄県に到着した。
「どこに沖縄のアイドル候補生はいるのかしら? 分からないから沖縄の名所でも回ってみますか。」
ユリは沖縄観光をすることにした。
「青い海! きれい!」
沖縄の1番の観光名所はきれいな海かもしれない。
「やって来ました! 首里城・・・・・・火事で再建中だった。ガックシ。」
期待が外れたユリ。
「勝手にガッカリして沖縄をディスルのはやめて頂戴!」
そこに女の子が現れる。
「何者だ!?」
ユリは尋ねてみた。
「沖縄の名産といえばサトウキビ! 私は沖縄県アイドル候補生! 玉城ユイだ!」
現れたのは沖縄県のアイドル候補生の玉城ユイだった。
「出たな! アイドル候補生!」
ユリは敵の出現に身構える。
「ちょっと! 人を悪役みたいに受け止めないでよ!」
クレームを言うユイ。
「ごめんごめん。アハッ!」
笑って謝るユリ。
「そういうおまえは何者だ!?」
ユイは尋ね返す。
「東京都のお土産といえば東京バナナ! 私は東京都のアイドル候補生の小池ユリ!」
ユリは名を名乗る。
「これつまらないものですが、どうぞ。」
「ありがとうございます。ようこそ、沖縄県へ。」
アイドル候補生はお土産の交換をして友情を深めて戦いを始める。
「いざ! 尋常に勝負!」
「望む所だ! かかってこい!」
東京都と沖縄県のアイドル候補生の戦いが始まる。
「いでよ! 東京刀!」
ユリは刀を出す。
「クスッ。オヤジギャグかよ。」
ユイはバカにする。
「悔しい! でも、その通りだから言い返せない!」
ユリは悔しさを噛み締める。
「今度はこっちの番よ! いでよ! 沖縄剣!」
ユイは剣を出現させる。
「そのまんまかよ。ケッ!」
ユリは言い返す。
「そうよ。羨ましいでしょ。東京刀さん。アハッ!」
ユイの勝ちである。
「でやー!」
「たあー!」
激しい刀と剣の撃ち合いを繰り広げるユリとユイ。
「なかなかやるな!」
「お主こそ!」
セーラー服で刀と剣を振り回して遊んでいる二人。
「こうなったら我が秘剣! ユリカモメで勝負をつけてやる!」
ユリは必殺技を繰り出そうとする。
「くらえ! 沖縄! 秘剣! ユリカモメ!」
ユリの刀からカモメが飛んでいく。
「必殺技が使えるのが自分だけだとでも思っているのか?」
余裕なユイ。
「なに!?」
予想していない発言に驚くユリ。
「沖縄剣! 奥義! デイゴ!」
ユイの沖縄剣からデイゴの花が咲き乱れて攻撃する。
「ウワアアアアアー!」
無防備だったユリの方がダメージを多く受けてしまう。
「見たか! 東京! これが沖縄の実力だ!」
勝ち誇るユイ。
「まだまだ! 私はアイドルになるんだ! こんな所で負けてなんかいられない! 燃えろ! 私の夢! うおおおおおー!」
ユリの闘志が燃え上がる。
「バカな!? 東京のどこからあんな闘志が湧き上がるというのだ!?」
戸惑うユイ。
「ユイ。おまえには分かるまい。」
「なに?」
「私がどれだけにアイドルになりたいか。私は夢を諦めない! 私が夢を諦めない限り私の夢は無限に強くなっていくんだ!」
ユリの夢を叶えたい強い気持ちがユリの闘志を燃え上がらせているのであった。
「もう一度だ! もう一度、私にデイゴを打ってこい!」
「なんだと?」
「あなたの剣は見切った! 私の大切な夢は二度と打ち崩させはしない!」
ユリはユイを挑発する。
「いいだろう! お望み通りデイゴを売ってやろう! 夢も希望も全て! 真っ二つにしてくれる!」
ユイはデイゴの構えに入る。
「くらえ! ユリ! 沖縄剣奥義! デイゴ!」
ユイはデイゴを放つ。
「見える! 見えるぞ! 私にはユイの剣が見える!」
ユリは剣をしっかりと見ることができていた。
「バカな!? 私の剣を見切っただと!?」
驚くユイ。
「今度はこっちの番だ! くらえ! 東京刀! 秘剣! ユリカモメ!」
ユリは渾身のユリカモメを放つ。
「フン。あなたのユリカモメは既に見切ってい・・・・・・なんだ!? ユリカモメが羽ばたいているだと!?」
気持ちのこもった大きく強く躍動的なユリカモメに驚くユイ。
「ギャアアアアアアー!」
ユイはユリの攻撃を受けて弾き飛ばされる。
「見たか! 私の夢はこんな所では終わらないんだ。」
勝ち誇るユリ。
「私の負けだ。アイドルになりたいという気持ちで私は負けていた。」
潔くユイは負けを認める。
「そんなことないよ。ユイのアイドルになりたいっていう気持ちもビンビンに感じたよ。良い戦いだったよ。アハッ!」
ユリは戦ったユイを称える。
「ありがとう。ユリ。私もアイドルに絶対になってやる。」
ユイはユリに感謝するとともに、新たに自分がアイドルになりたいと自覚するのであった。
「ああ~疲れた。お腹も空いたよ。」
ユリはお腹がペコペコだった。
「良かったらサーターアンダギーとかゴーヤチャンプルーを食べる? 美味しいお店を紹介するわ。」
沖縄の観光案内のできる地元のアイドル候補生のユイ。
「ありがとう。いっぱい食べるんだ! アハッ!」
食いしん坊なユリ。
「そうはさせるもんか!」
その時、何者かが現れる。
「何者だ?」
ユリは尋ねてみた。
「私は地球征服を企む悪の軍団ジョーカーの妖怪キジムナーだ!」
現れたのは悪の軍団ジョーカーの妖怪キジムナーだった。
「出たな! ジョーカー!」
ユイは悪の軍団ジョーカーと面識がある。
「おまえたちアイドル候補生は活かしてはおかないぞ! ここがおまえたちの墓場となるのだ! やれ! 小鬼たち!」
「オニオニ!」
小鬼たちが襲い掛かってくる。
「困った!? ユイとの戦いで、もう元気が残ってない!?」
エネルギー切れのユリ。
「大丈夫だよ。私たち二人で戦えば。だってこんな所で負けてられないでしょ。夢を叶えるんだから。アハッ!」
ユイは疲れているユリに微笑みかける。
「そうね。一人ではダメかもしれないけど、二人ならどんな苦難でも乗り越えられる!」
再びユリに元気が戻った。
「おお! ユイとユリの二人でダブル・ユーの結成だ!」
新しいアイドル・ユニットが誕生した。
「なんだ!? こいつら!? 急に元気になりやがった!?」
キジムナーはユリたちの不屈の闘志に驚いた。
「いくぞ! キジムナー!」
「アイドル候補生の実力を見せてやる!」
ユリたちが小鬼たちと戦いを始める。
「エイ!」
「ヤア!」
「オニオニ!」
次々と小鬼たちを倒していくユリたち。
「こうなったら私が相手だ! くらえ! アイドル候補生たち! キジムナー・爆弾!」
キジムナーは爆弾を投げつけてくる。
「ドカーン!」
爆弾は火薬が協力で大爆発を起こす。実写版では恐怖のロケである。CGは厳禁がリアリティーがあってよい。
「キャアアアアアア!」
吹き飛ばされるユリたち。
「イタタタタタッ!? なんて危険な破壊力なんだ!? こんなものセーラー服で戦える訳が無い!?」
セーラー服は可愛さだけで防御力は無きに等しかった。
「こうなったら着替えるしかない!」
ユイは着替えると言い出した。
「え? そんなことできるの?」
ユリは何も知らない。
「え? あなたできないの? 夏は水着コスチューム、18禁版は下着コス。ダメージを受けると破れてビーチバレーみたいに放送中にモザイクが掛かるわよ。」
ユイの丁寧な説明。
「なんですと!?」
同じアイドル候補生なのに何も知らないユリ。
「こい! 私の沖縄剣衣! 装備! エクィップメント!」
何も無い所から沖縄県の鎧が現れてユイに装着していく。
「沖縄県アイドル候補生ユイ! 完全版!」
ユイは沖縄剣衣を身に纏いアイドル候補生の騎士の姿になった。
「スゴイ! パチパチパチパチ!」
思わず見とれて拍手するユリ。
「何やってるのよ!? ユリ! あなたも剣衣に着替えるのよ!」
ユイはユリに早く剣衣に着替えろと催促する。
「よし! ダメで元々! やってやる! いでよ! 私の東京刀衣! 装備! エクィップメント!」
何も無い所から鎧武者の東京都の甲冑が現れユリに装着していく。
「東京都のアイドル候補生ユリ! 完全版!」
ユリは東京刀衣を身に纏いアイドル候補生の侍の姿になった。
「やればできるじゃない!」
ユリを褒めたたえるユイ。
「それほどでも。エヘッ!」
褒められて喜ぶユリ。
「いくぞ! キジムナー!」
「2人のアイドル候補生の力を見せてやる! トウ!」
キジムナーに2人で襲い掛かるアイドル候補生たち。
「ギャアアアアアアー! 2人がかりで攻撃するなんて卑怯だぞ! それがアイドル候補生のやることか!」
キジムナーはアイドル候補生たちの攻撃を受けてダメージを受ける。
「勝てばいいのよ。勝てば。アイドルになれればいいのよ。」
「そうよ。昔から勝てば官軍って言うでしょ。」
勝利目前で余裕が出てきたユリとユイ。
「そうかい。それならこちらも助っ人を呼ぶことにしよう。」
キジムナーは助っ人を呼ぶという。
「なんだって!?」
驚くユリたち。
「ジョーカー流召喚妖術! いでよ! シーサー!」
キジムナーは同じく沖縄妖怪のシーサーを呼び出す。
「ガオー!」
ライオンみたいなシーサーが現れる。
「出た!? 恐怖の人食いライオン!?」
ユリはシーサーの姿に恐怖した。
「卑怯よ! カワイイアイドル候補生相手に助っ人を呼び寄せるなんて!」
抗議するユイ。
「ふざけるな! 誰が卑怯ものだ! 悪役に2人がかりで攻撃してくるアイドル候補生に言われたくないわい!」
もっともな意見のキジムナー。
「そう言われればそうね。うんうん。」
納得するユリ。
「納得すな!」
ツッコムユイ。
「つい。あははははははは・・・・・・。」
笑って誤魔化すユリ。
「勝負だ! キジムナー! アンド、シーサー!」
仕切り直すユリ。
「こい! アイドル候補生! ここがおまえたちの墓場になるのだ! いけ! シーサー!」
「ガオー!」
キジムナーとシーサーの連携攻撃が始める。
「キャアアアアアアー!」
激しい攻撃に吹き飛ばされるユリたち。
「見たか! アイドル候補生ども! ワッハッハー!」
「ガオー!」
勝ち誇るキジムナーとシーサー。
「イタタタタタッ。負けたくない。こんな所で夢を諦めたくない。どうすればあいつらに勝てるのかしら?」
「まだまだよ。夢は諦めなければ叶うんだから。私たちなら夢を絶対に叶えられる。自分を信じるのよ。」
「そうね。私たちは夢を叶えるために頑張っている。一人なら挫けそうでも私たちは二人だ。」
「そうよ。私たちはユイとユリでダブル・ユー。私たちは絶対に挫けない! 夢を叶えるんだ!」
「うおおおおおー!」
励まし合い二人の友情が再び闘志を燃やし元気を回復していくユリとユイ。
「いくぞ! キジムナー! アンド、シーサー! 東京刀! 秘剣! ユリカモメ!」
「沖縄剣! 奥義! デイゴ!」
ユイとユリが妖怪に攻撃を仕掛ける。
「小癪な! 返り討ちにしてくれる! キジムナー・ボム!」
キジムナーは爆弾を投げてくる。
「ガオー!」
シーサーも口から火を吐いてアイドル候補生たちを攻撃する。
「ドカーン!」
二つの勢力のぶつかり合いで大爆発が起こる。
「諦めない! 絶対に夢を叶えるんだ!」
「私たちはアイドルになる! こんな所で終われない!」
激しい爆発の中でも夢を燃やし続けるユリとユイ。
「私たちは二人でダブル・ユーだ! いくぞ! 夢の2連撃!」
ユイとユリのコンビネーション攻撃の連撃で妖怪を切り刻んで攻撃する。
「ギャアアアアアアー! これで勝ったと思うなよ! 悪の軍団ジョーカーはこの世界から夢を奪い世界征服するのだ!」
「ガオー!」
「ドカーン!」
キジムナーとシーサーは倒されて爆発した。
「やったー! 勝った! わ~い!」
「恐ろしい相手だった。」
勝利に喜び、敵に恐怖を覚えたアイドル候補生たち。
「ユリ。これからあなたはどうするの? 悪の軍団ジョーカーと戦うために訓練を行うの?」
ユイは尋ねてみた。
「お腹が空いたので沖縄名物のソーキそばを食べに行くの。案内してくれる約束よね。」
ユリは正義よりも食い気だった。
「アハハハハハ! そうね。夢を叶えるためにも何か食べないとね。」
同意するユイ。
「そうそう。お腹が減っては力も出ないってね。アハッ!」
アイドル候補生たちは友情を築き夢を叶えるために一緒にご飯を食べに行くのであった。
「しまった!? 戦いに勝ったのに勝利の歌を歌っていない!?」
ユリは大切なことに気づいた。
「それに歌詞もまだまだ出来上がってないのよね。」
東京都の歌は未完成だった。
「どれどれ? どんな歌。少し聞かせてよ。」
聞いてみたいユイ。
「いくわよ。すごいぞ! 東京! でかいぞ! 東京! 強いぞ! 東京~! こんな感じ。アハッ!」
これがユリの恐怖の作詞力。
「・・・・・・アイドルになるの諦めたら。」
ドン引きするユイ。
「じゃあ、あなたはどうなのよ? ちゃんとした歌が歌えるの?」
ユイは尋ねてみた。
「当たり前よ。だってアイドル候補生だもの。エヘッ!」
今時のアイドルは作詞ぐらいできて当たり前。できない者は水着になるしかない。
「嘘よ! なら歌ってみなさいよ!」
食って掛かるユリ。
「いいわよ。私の綺麗な歌を聞かせてあげるわ。」
歌を歌い出すユイ。
「青い空! 白い雲! どこまでも広がる水平線! あなたにも来てほしい! 我が県! 沖縄~!」
良い沖縄の詩であった。
「勝負あったわね。アハッ!」
勝ったユイ。
「ウウウッ!? なんも言えねえ!?」
ユリは言葉を失った。
「いいもん。私は夢を諦めない。そのうちきれいな歌詞ぐらい作ってみせるもん。」
負けん気の強いユリ。
「これからどうするの?」
ユイはユリに尋ねてみた。
「鹿児島県に行こうと思うの。」
ユリは次に鹿児島に向かうつもりである。
「なら私も一緒に行こう。全国のアイドル候補生と戦わないといけないんだもの。」
ユイも一緒に全国行脚するという。
「そうね。一人より二人の方が心強いわ。」
賛同するユリ。
「なんたって私たちはユイとユリでダブル・ユーよ!」
解散を免れたアイドルユニット。
「おお! いくぞ! さつま揚げ!」
ユリは鹿児島に向かう。
「食べることばっかりかい!?」
ユイはツッコむ。
「待ってろ! かるかん! 黒砂糖!」
やはりユリは食べることばかりである。
「おまえの頭の中には他にないのか?」
呆れるユイ。
「あんた、醤油を飲むかい?」
鹿児島は醤油も名産品らしい。
「結構です。一人で武者修行した方が良かったかしら? 失敗した。」
ユイは選択を間違えたかもと疑念を抱く。
「何を言っているのよ。私たちは愛と友情の二人でダブル・ユーでしょ! ワッハッハー!」
ユリとユイは固い友情で結ばれていた。
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