Liar

楓 紅葉

願っても変わらない事

ふと目が覚めてしまった。…四時か。まあ起きるのには丁度いい。今朝はかなり魘された。いつものことながら慣れなくて悲しくなる。まあ良いや願っても呪っても変わらない事だから。さてといつもの如く学業に打ち込もうとするか。

通学には電車を使うのでその間に英単語を覚えている。しかしそんなのは建前であり本音は気まずい一人がいるためである。朱芳理は何故か意図して僕を避けている。話すのは必要最低限。慣れればなんでもないそう考え続けたいの、だが夢を見るようになったので嫌になる程、現実を突きつけられている。何か怒らせることあったかな。毎日そう考え続けた。そして考える事を放棄して良いぐらいに考え尽くした。が今も英単語をやる頭の片隅で考えている。

「…。ここ良いかしら。」

今日はいつにも増して混んでいた。あたりを見渡す限り此処しか座るところがないらしい。

「良いよ。」

此処で先程の疑問をぶつけよう。

「なあ。ぶっちゃけ悪い事言ったか。」

朱芳理は一瞬だけ驚いた表情になってまた戻った。

「なに…悪い事してない。ただどっちが加速させたのかしらね。もういい。一希。」

朱芳理はイライラしているのか貧乏ゆすりをしている。仕方ないこれ以上触れてはいけない事に触るのは嫌なので単語で時間を潰した。

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