―15― 二回目のパイラルダンジョン
翌日、僕は早速二回目のパイラルダンジョンの攻略に勤しんだ。
一度でも攻略したことがあるダンジョンってだけで、前回よりは軽快に進むことができるようになった。
「〈回避〉!」
ボスエリアにて、
「よしっ、パイラルダンジョンでも初回クリア報酬がでてきた!」
宝箱に入っていた〈極めの書〉を見て僕は喜びのあまりそう口にする。
本来なら、初回クリア報酬でしか入手できない〈極めの書〉を僕だけは周回するたびに手に入れることができるんだ。
そう考えると、これから僕がしようとすることって、普通にレベルアップで強くなるより効率的なんじゃないだろうか。
早速、〈極めの書〉使うことにする。
◇◇◇◇◇◇
敏捷が10上昇しました。
◇◇◇◇◇◇
さらに翌日、僕はパイラルダンジョンに再び挑んだ。
「確実に動きが軽快になってきている」
ダンジョン内の通路を走りながら、僕はそう口にした。昨日に比べて敏捷が10上昇しただけだが、それでも如実にわかるぐらい走るスピードが速くなっている。
それに――
「グルウッ!」
前方の
「よしっ」
と、以前なら〈回避〉を使わなくては避けれなかったが今ならスキルを使わずとも軽快に避けられる。
敏捷があがったことで素の回避能力があがったということなんだろう。
「グルウゥゥゥッ!」
また通路にて
これは〈回避〉を使ったほうが良さそうだ。
そう判断し、
「〈回避〉」
と、スキルを発動させる。
そう思い、念の為購入しておいたナイフを手に
ガンッ、と弾けるような音がするだけで傷をつけることさえ叶わなかった。
うん、やっぱり攻撃力のほうはからっきしのままだ。
わかっていたとはいえ、こう目の当たりにするとショックだ。
ギロリッ、と後ろに振り向いた
「ご、ごめんなさーっい」
と、叫びながら僕はその場を逃げ出した。
ボスの
◇◇◇◇◇◇
敏捷が10上昇しました。
◇◇◇◇◇◇
やはり今回も初回クリア報酬であるはずの〈極めの書〉が手に入る。
おかげで、僕の敏捷はまた10あがった。
◇◇◇◇◇◇
アンリ・クリート 13歳 男 レベル:1
MP:90
攻撃力:10
防御力:50
知 性:60
抵抗力:60
敏 捷:160→180(UP!)
スキル:〈回避〉
◇◇◇◇◇◇
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