第13話 お宝発見
昼休みにパソコン部の部室を掃除するにあたり昼飯を食べながら議論する。
「ツムちゃんすっかり有名人だね」
「中学時代とそう変わらないわよ」
「それもそうだね~」
呼び出しで加藤紬の認知度は高まった。中学時代の事は分からないが美人には美人の苦労が有るのだろう。
「それより、過去のパソコン部員が何を糧に活動してたか気になるわ」
「あ~、それは気になるなネットサーフィンするにもこのスペックじゃなぁ、良くてパソコン通信くらいじゃないか?」
「そんなにこのパソコン使えないの?」
「「論外」」
「あ、はい」
思わず紬とシンクロして一喝してしまった。
「で、どこから掃除始める? 昔の資料から行くか?」
「パソコン部の活動記録ってパソコンで見れたかしら?」
「調べるか……。活動日誌くらいは書いてるだろ、多分」
部室のパソコンを四台全部起動させる。カリカリと言う音が四台のパソコンから聞こえる。発売から一体何年経っているのか分からないが定期的に動かせばパソコンが腐ることは無い。しかし、腹が立つくらい起動が遅い。十分掛かってようやく起動が終わりアイコンが現れた。
「壊したい。この遺物」
「活動記録確認したら初期化しましょう」
「その活動記録が見当たらないんだが……」
四台の一太郎ファイルを調べても活動記録が見当たらない。隠しファイルも調べてみるが該当するファイルは無かった。
「この感じは消したな……」
「復元できない?」
「俺の腕じゃ無理かな。この低スペックで何してたのやら」
「エロゲーでしょう!」
「ツンちゃん声のボリュウーム!」
「このフロッピーディスクドライブで出来るエロゲあるかな……」
「孝一君。人類のエロさを舐めてもらっては困るわ!」
「本の媒体も衰退してるのにエロゲーは衰退しないのな」
「ねぇねぇ、孝一君の性癖って何?」
「ライトSM。なんでこれマイクが接続されてんだ?」
「校長先生でも聞いてるんじゃない?」
「変態じゃん、今すぐ学校辞めたいわ!」
「霜月君ライトSMって何?」
え~そこからと説明するの? 羞恥プレイだろそれ。
「幸いにもフロッピーは捨てられて無いからゲームは出来そうだな」
「レトロエロゲね」
「もう。紬さんのエロに対する貪欲さが怖い」
「普通にテトリスかもよ?」
「テトリスくらいプログラミング出来なくて何がパソコン部か!」
「孝一君も譲れない一線があるのね」
「このスペックで出来る事探す方が大変だわ」
「パソコン通信じゃない? マイクもあるし」
「パソコン通信って何?」
うん、令和時代でパソコン通信はしないよねインターネットあるし。
「昔のインターネットかな」
「へー。携帯電話の前のショルダーホンみたいなモノ?」
「その認識で間違いでないよ。回線が生きてるか知らないけど」
「コアのユーザーはまだ使ってるんじゃない?」
「アマチュア無線じゃあるまいし……」
「コンタクト取ってみる?」
「いや、変な奴に引っかかるのも嫌だし。これは封印しておこう」
「そうね。別な暇つぶしを探しましょう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます