プラモの力で異世界ロボットバトルをしよう
黒井丸@旧穀潰
第1話 異世界の王道 追放
話を思いついたので投下します。
本当なら10話くらい書きためて投下したいのですが、作者のメモリ的に無理なので取り敢えず次の話が降って来るのを祈ります。
とりあえず冒頭の話(12話予定)まで行けたら褒めてやってください。
では はじめます。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
異世界ものを読んでいて不思議な事が一つあった。
~なんでこいつらは巨大兵器を呼ばないんだ?~
たしかに某竜の珠マンガをはじめ、人間が不思議な力で強くなれば、巨大兵器も簡単に倒せるだろう。
だが、10mを越える巨大な物体が不思議な力で強
現に今、俺は10万の人間の軍勢に囲まれているが、ちっとも怖くない。
「ユギイよ!我ら五カ国連合に逆らった罪は重い!!前非を悔いて降伏するなら命だけは助けよう!だが、もしも逆らうなら人類すべての敵としてその命もらい受ける!!!」
重厚な鎧に完全装備の馬が列をなして目の前にいる。
その後ろで突撃で俺を殺そうとしている団体のお偉いさんが、何かわめいているのだが全く命の危険を感じない。
むしろ相手がかわいそうな位である。
「あー。寝言は寝てから言ってくれるかな?君たちは弱いんだから」
大軍勢を前に俺はあきれた声で言った。
「…その言葉、後悔するなよ」
「むしろ俺は、そんな貧弱な戦力でなんでそこまで大言を話せるかが不思議なんだが…」
1対15万。
同じ人間同士なら絶望的な戦力差であるが、それでも俺は勝利する自信がある。
そう巨大ロボットならね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の名は
大分県は日田市の高校生である。
まあ現代人は絶対読めない漢字なので、クラスメイトはユギーとかハレンと呼ぶ。
刃連=ハレン
という訳である。
いつも通り高校で授業を受けていたら、急に教室がまぶしい光であふれ、気がついたらクラスのみんなと異世界にとばされていた。
よくある話だ。
「良く来た。異世界の方々よ」
中世ヨーロッパ風の神官服を着た、腹黒そうなデブ司教が笑いながら、そう言った。
なんでも、地球人はこちらに飛ばされると一つだけ特殊な能力を持っており、この国ではその力を利用しているのだそうだ。
俺たちはスマホゲームのキャラかなんかか?
そんな事を考えていると、隣にあった岩が爆発四散した。
砕けた石がほほに当たる。
「お!すげえ!なんでもぶっこわせるぞ!」
と、はしゃいでいるのはクラスで不良をきどっている森山。
どうやらスーパーマンみたいな怪力を手に入れたらしい。殴っただけで岩が木っ端みじんに砕けたようだ。
ナントカに包丁与えるくらいにアカンやつだ。
「俺は超能力か」
見ると柔道部でオカルト好きの山田の周りで岩や水が浮かんでいる。
岩のようにごつい風体の男だったが意外とロマンチストだったんだな。
どうやら、ある程度望んだ力が手に入るものらしい。
他に衝撃波とかエネルギー弾を出したりするやつらもいた。
「全てがわかる。過去・未来・この世の真理…」
おい、なんかやばいやつがいるぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ハレン。これは現実だと思うか?」
クラスメイトの日出大神(ひじおおが)が話しかけてきた。
眼鏡をかけた秀才タイプの外見で小学校時代からの友人だ。
「夢だとしたら、俺の脳の処理能力を超えている。現実なんじゃないか?」
「だとしたら、変に能力を見せない方が良いかもしれんな」
「そうだな」
最悪の事態を想定してこれからの事を話していると
「それでは、皆さまのお力を見せて頂きましょう」
と、俺たちを呼び出した司教は「鑑定」とつぶやくと、みんなの頭にステータス画面が浮かぶ。
俺は戦闘スキルを持ってないようで体力や力に『F』という文字が、逆に森山には『A』という文字があがっていた。
「おお!これは素晴らしい!」
森山の能力は相当高い数値だったようだ。
「むう。まだまだ鍛錬が足りんということか…」
山田は体力や力が『D』となっている。柔道部員でこれなら、俺たちの数値が低いのもうなずける。
「ですが、あなたの場合 魔法がBクラスです。十分立派な数値ですよ」
熊みたいな図体をしていて魔法使いタイプとなるらしい。
ギャップが強い。
そんな事を考えていると、司教は
「それに引き替え…」
とゴミでも見るような目で俺たちをみた。
「全ての能力地がFかE。特別な力も魔法の素養もないとは情けない」
勝手に呼び出したくせにずいぶんな言われようだな、オイ。
すごくイヤな予感がする。
「あなた方は、この国に貢献できそうにないのでお引き取りください」
は?
「あのー。元の世界に帰してもらうわけにはいかないんですか?」
そう聞くと、目の前の司教は不思議そうな目で
「何故ですか?」
と言った。
「いや、あんた等が勝手に呼び出したんだから帰す義務があるでしょう?」
「あなたたちは山奥で採取した薬草を持ち帰って、使いものにならない雑草をわざわざ山奥に帰して植え直しますか?」
口調は丁寧だが、その目はゴミを見るようだった。
クラスの皆がざわめく。
どうやら、この異世界ははずれのようだと気が付いたのだろう。
かといって国レベルの相手に逆らっても勝ち目はない
「お仲間の中で、みなさんの身の安全を要求された方がいるので直接は手を下しませんが、無能なあなたたちはこの国の役にたてません。食料が欲しければ外で狩猟を行うなり、採取をするなりして自活してください」
と冷たく言い放つ。飴と鞭を隠そうとしないストロングスタイルの世界らしい。
『お、いいな!実力主義ってやつかよ!おい刃連!お前みたいな無能は生きてる資格がないんだってよ!!!』
……ふつうの異世界追放ものだとこんなことを言い出すやつがいるのだろうけど、田舎の学校の団結は深い。
「おい!何勝手なこと言ってんだよ!」
俺たちの中で抗議の声をあげたのは、意外にも森山だった。
「おまえ等の都合で勝手に呼び出しておいて、使えないから出ていけ?おれたちは腐ったリンゴじゃねぇんだぞ!クラスの奴ら追放するってんなら俺はおまえ等のためになんか絶対働かねえぞ!」
他の人間よりも優れていると言われてクラスメイトを見下して来るかと思ったのだが、意外にも情に厚いタイプの不良だった。
「あん?なんだおまえら、こっちをジロジロ見て。やめろよ気持ち悪りい。おい、センコー、なに泣いてんだよ。やめろよ、その「私の教育は間違ってなかった」みたいな目でこっちを見るのは!」
「おやおや、聞き分けのない方たちですねぇ…」
と空気の読めない司教は、にこやかな目のまま冷ややかに言った。
「仕方ありません。他のゴミどもは放っておいても大丈夫でしょうが、あなたの力は危険です。洗脳して残さず利用させてもらいましょう。」
そういうと、城のあちこちから兵士たちが姿を現した。
「てめえ…」
「おっと、ここで抵抗するならお友達にも魔法が当たりますよ」
嗜虐的な笑みで司教が言う。
「まあ抵抗したところで、ここに配備されているのはあなたと同程度の力を持つものばかりですから無駄ですけどね」
だったら、俺たちを呼ぶなよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして、俺たち3人をはじめクラスの半数は城を追放されることになった。
理不尽である。
ここから敵でも倒してレベルアップしたら、真の実力が生まれて異世界無双が始まる…
と思うじゃん?
残念。俺は面倒な手順は苦手なのだ。
「つまり、有能な人間しかこの国にはいられないってこと?」
「おお、理解が早くて助かります」
「だったら、出ていくのはお前たちだな」
「は?」
「有能な人間しかこの国にはいられないんだろ?だったら、ここで俺がおまえたちを倒せばおまえたちは追放ってわけだ」
「ははは、たかがFクラスが偉そうに。できるものならやってみなさい」
バカにしたように司教がいう。
強者の余裕というやつだろう。その場で処刑などとはいわなかった。
さて、言質はとった。後は実行するだけだ。
こちらの世界に来て、俺の頭の中にはある呪文が入っていた。
現実世界の存在を魔改造して召還する呪文だ。
男子学生が脳内でゾンビ世界に入ったらどうするか?とか、校舎にテロリストが入ってきたらどうするか?と想像するように、俺は何度も夢見ていた特殊能力を手に入れたのを理解していた。
頭の中に入っていた召還魔法を思い浮かべ、俺は叫んだ。
「来い!バトルマスター!!!」
「なっ!なんだ!あれは!」
空には急に雷雲が立ちこめ、まばゆい光とともに、全長15mの巨大なロボットが現れる。
10mを超える長い日本刀に炎をイメージした真っ赤な外装。武士をイメージした素敵なフォルム。
アニメに登場した主人公機が1体 バトルマスターが目の前にいた。
「バトルマスター!わるいやつらを懲らしめてやれ!」
アニメそのままのセリフに反応して、バトルマスターの目が光る。
GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!
起動音によるおたけびをあげて、バトルマスターは大地に立った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回「大勝利!クーデター成功。明日に向かってレッツ☆ゴー!!!」にご期待ください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
某バトル系ロボットアニメの金字塔 ○ガンダムのタイトルを真似してみました。
最終回にふさわしい、良いタイトルですが、予告で「彼らは勝てるのでしょうか?」とあおった後だったのでひどいネタバレだと思いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます