12話 迷宮(ダンジョン)へ招待

 なんとか形になったな。これで一旦の完成形だ。鉄の鎧は貫通できるが地竜ソロウドラゴンには傷をちょっとつけるだけだ。あまり過信しない方がいい。まあここら辺はスライムかゴブリンだからあまり心配しなくていい。


 それがここのいいところの一つだろう。



















 俺は早速シルフィを呼びに行った。魔法のレベルがどのくらいでアップするのかは知らないが初級だからすぐにレベルアップし、次の段階に行けるだろう。


 お、いたな。いたのはシルフィとアリスとアンジュの3人だ。そうだな。せっかくだから3人とも迷宮ダンジョンに入れるとしよう。

 アリスとアンジュはやることがないけど…まぁいざというときに使うから連れて行った方がいいだろう。


「みんな、ちょっと来てくれない?」

「いいけど、どこに行くの?」


 今、答えたのは幼馴染のアリスだ。姉のシルフィと違って天然なところがある。


迷宮ダンジョンだよ」

「「「…え?」」」

「大丈夫だよ、そんなに遠くないし魔物モンスターもいないから」

「いや、それはおかしいでしょ」

「そうだよ、お兄ちゃんいくらなんでもおかしいよ?」

「ところがどっこい。嘘じゃないんですよ」


 なんかどこがで聞いたことがあるがまあ気にしない気にしない。


「そんなの信じれないよ」

「まあついてきて」


 いくらなんでも見ないことには信じれないだろう。まあ今の迷宮ダンジョンは王の間ーー迷宮核ダンジョンコアがある場所ーーと倉庫、そして武器製作所、射撃場の4つしかないのだが、まあこれから追加していこう。


「まあお兄ちゃんがいうなら」

「そうね、ボランなら大丈夫よね」

「おいてくぞ?」

「「「あ、待って!」」」

















 そして俺の家までやってきた。


「ここって…」

「自宅じゃないの?」

「そうだよね」


 まあそんな反応になるよな。


「まあついてきて」

「「お邪魔します」」

「ただいま!」


『おかえりなさい』


 奥から母さんの声が聞こえた。母さんはなぜか農業じゃなくて家庭栽培しかしていない。どこから金を持ってきているのだろうか?


「こっちだよ」

「あれ?お兄ちゃんの部屋じゃん」

「部屋の中にあるんだ」

「「「ん?どうゆうこと?」」」

「まあまあついてきてって」

「まあいいけど」
















「ここだよ」

「隠し扉なの?」

「そうだよこの中にあるんだ」

「どうなってるの?」

「まあ俺がダンジョンマスターになってるんだ」

「この近くに迷宮ダンジョンはないよ?」

「森の奥にあったよ。多分地盤崩落かなんかで現れたんだと思う」


 今思えばなぜかあそこらへん岩がゴロゴロしてたしな。


「じゃあここに移動させたってこと?」

「そうゆうこと」

「意味がわからない…」


 まあ7歳の俺がダンジョンマスターだなんて思えないだろう。早く15になりたいものだ。この世界だともう成人だしな。

 あと8年。長いのか短みのかよくわからないな。


「まあいいから行くぞ」

「うん…」


 なんか呆れられてない?まあ気のせいだと信じたい…。そう…だよね?



















「意外と小さいね」

「まだまだできたばかりだからな」


 前の迷宮ダンジョンは全てDPに変換されてしまった。残念ながらDLPにはならなかった。まあ当たり前だろう。贅沢は言えないな。


 今残っているのは前の迷宮ダンジョンはある程度の部屋があったので1500ぐらい残っているのだ。まあこれだけあれば十分だろう。それにこれ以上増やしてもしょうがないしな。


「この球は?」

「それが迷宮核ダンジョンコアだよ」

「綺麗だね」


 そうなのだ。迷宮核ダンジョンコアなのに赤色で透き通っているのだ。違う迷宮核ダンジョンコアを見つけてもそれを壊すのはもったいないと思う。


「でも、なんで呼んだの?」

「ああ、シルフィに手伝って欲しいことがあったんだ」

「なに?」

「みんなちょっとこっちきて」


 そういう言って俺はみんなを射撃場に連れて行く。


「これを作って欲しいんだ」

「これはなに?個性的な形してるけど」

「これは遠距離武器だよ」

「遠距離武器?弓じゃダメなの?」

「これは弓なんか比じゃないぐらい遠距離で攻撃ができるんだ」

「どのくらいなの?」

「確か弓が50mでクロスボウが70mだったよね?」

「そうだよ」


 この世界でも長さはm表記のようだ。神様が面倒だからかな?まあいるわけないか。


「これは100mはいけるよ」

「そんなに?」


 100mだと狩人の中でも玄人くろうとの人しか無理な距離だ。

 俺も弓は20mも行かないと思う。だからこそ銃でカバーしてるんだけどね。何よりこっちの方がゲームで慣れてる。あて感なども弓よりかはあると思う。


「まあ、まずは50mで行こうか」


 そうゆうと俺は拳銃を木の丸の的に向けて引き金を引く。


 結果真ん中よりも少し右にずれたが無事に貫通した。音はしなかった。付与魔法の無音がかかっているから当然なのだがやはり銃声はない方が静かでいい。ステルスキルできるからな。それに鼓膜破れるほど音が大きいからな。


「え?貫通してる?」

「なにが起こったの?」

「弾を発射したんだよ」

「弾?そんなのどこから出てるのよ」

「そうたね、一から説明しようか」


 まあ説明もなしに理解できるわけないしな。




〜説明中〜




「こんな感じかな」


 結局あの後基本操作と基本構造を教えてあげた。最初はなかなか的に当たらないと思うけど次第に慣れてくるし戦力に期待できるだろう。

 10歳ぐらいで森の探索にみんなで行きたいものだ。今はまだ歳的に早いしな。


 まあ俺は行くが、なんか森に行かないとないイベントがありそうで怖いからな。まあ当分は行く理由が狩りしかないけど。何か新しいものがあったらいいな。それに探索すると生活魔法の世界地図ワールドマップに記録されるのでいいし、影移動も一回行ったところしか無理なので行く価値はある。


「じゃあ次は100mを撃つよ」


 前の世界の有効射程距離だ。この世界だと魔法があって底上げしてるからもっと行くと思うけど。どのくらいかはわからない。限界距離なんかは考えたことがない。まあ最大じゃなくて有効だから前の世界も最大はもっとあるだろう。


 多分、有効射程距離が100mなのは狙いにくいからだと思う。この世界は魔法で補助できるしもっと大きくなるかな。確か生活魔法に拡大ズームがあったバズだ。それを使えばもっと遠くも見えるようになる。


 100mの結果は貫通した。今度は前よりも結構ずれたが無事に窓に当たっている。やはり少し難しいな。ゲームと違って反動がでかい。実際に撃つのはこの世界が初めてだししょうがないだろう。


 弾はあと2発残っている。6弾装填だ。


 150mは何回か撃たないと当たらなそうだ。結構ずれてるしな。

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